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「組み込みAI がソリューションを変えていく」

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【堀内 雄一 氏 略歴】
生年月日:1975年3月21日
Aコントローラー(PLC)のハードウェア・エンジニアとして10年間経験を積む。転職後は、商品化計画、新規事業企画、組織構築、利益構造化などコーポレート職に従事。IoTの社会実装には Embedded AIがコアテクノロジーであるとの気づきから2017年に同社を起業。

【(株)TOWING】
設 立 :2017年6月23日
資本金 :25,000千円
所在地 :愛知県名古屋市中区栄3-15-27
事業内容:Embedded AIを応用した製品の開発製造販売

<起業家インタビュー>

組み込みAI がソリューションを変えていく


■組み込みAIの持つポテンシャルく

当社は、組み込みAI(Embedded AI)システムの社会実装を進めるため研究開発を行っています。AIの世界は、クラウドAI、エッジAI、組み込みAIへと進化しており、海外では特に組み込みAIが主流になっています。組み込みAIは、エッジAIよりも小型の計算資源、コンピューティング能力で、十分な推論を実行できるようになっていて、例えばドローンに搭載されています。

組み込みAIとエッジAIの大きな違いは、コストと電力です。組み込みAIにかかるコストは、エッジAIの約10分の1、電力は20分の1です。組み込みAIは、ソリューションに合わせた耐環境性能を作りこむことができます。AI搭載の製品やソリューションの大量生産がいよいよ始まります。

■作業員の安全を守る組み込みAI

当社は、清水建設様のご協力を得て、建設機械や大型車両の周辺にいる作業員が、誤って重機や車両へ接近することを防ぐ装置「安全AIカメラシステム」を昨年の5月に発売しました。この製品は、既に200台以上が稼働しています。 本システムは、3眼(左側方・右側方・後方)のAIカメラとそれぞれの警告ブザー(3か所)をセットとした新商品です。それぞれのAIカメラを、車両の形態に合わせて単品導入も可能です。本システムは、一般社団法人セーフティグローバル推進機構(IGSAP:The Institute of Global Safety Promotion)が発行する技術認証「Safety2.0 適合基準レベルⅠ」を取得しました。

■スピード重視で売り上げ拡大を目指す

組み込みAI の最先端研究開発の多くは中国で行われています。ファブレスメーカーである当社の社員は、前職時代から築いた、中国企業の先端研究開発部門の研究員、技術者、メーカーと強いパイプを持っています。 当社は、プロトタイピング、ユーザーの声を集め製品を改善、市場投入までのスピードの最速化を重視しています。今年中に商品を5機種まで増やし、将来的には、組み込みAIのプラットフォーム展開を目指していきたいと考えています。


※2021年6月号掲載時点での情報です