「スマートカンパニーを目指して」
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イノベーション・エンジン株式会社
代表取締役社長 佐野 睦典さん
野村證券に入社し資産運用業務に従事した後、野村総合研究所に転じベンチャー企業の事業評価と上場支援業務を責任者として推進した。その後、ジャフコにて日本初の先端技術ファンドの責任者になり運営を行なった。2001年1月に独立し、イノベーション・エンジン株式会社を設立し、ベンチャーファンドの運営を統括すると共に、自ら自身も投資先企業の社外取締役となり事業創成の推進・支援を行なっている。京都大学法学部卒。Harvard Business School PMD 修了。
住所:東京都港区芝浦3-11-13 SUDO BLD. 5F
TEL:03-5730-6721 設立:2001年1月 資本金:11,150万円
http://www.innovation-engine.co.jp/
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2月10日東京および2月14日静岡にて、イノベーション・エンジン佐野社長に「スマートカンパニーを目指して」をテーマに講演いただきました。<当日の講演資料はこちら>
http://www.innovation-engine.co.jp/pdf/indep120214.pdf
■ グローバル産業競争とポジショニング
60年代までの世界の産業構造は、米国が全てを支配していた。
70年代中ごろから日本がプロダクト分野で台頭すると、米国は事業領域を「ソフト/システム」
「ネットワーク/サービス」へシフトした。
90年代に入り、韓国、台湾がプロダクト分野で台頭すると、日本は(米国とは逆方向となる)
デバイス分野を新たな事業領域にしていった。
2000年代は中国がプロダクト分野に割り込み、韓国・台湾はデバイス分野へ進出した。
その結果、グローバル産業競争の中で日本は材料分野にポジショニングしている。
2010年代は、日本のコアコンピタンスである先端技術産業を強化すると共に、
材料・デバイス・プロダクト・ソフト・ネットワークの全てを支配するプロデュース機能を持っているかにかかっている。
■ テクノロジーベンチャーのIPO輩出の兆し
2001年から2005年は先端技術ベンチャーの設立が相次いだ。
しかしその後の景気後退の中でリストラが優先され、先端技術ベンチャー淘汰の時代が続く。
現在は先端技術ベンチャーの収益化が進みつつあり、バイオ分野以外でもテクノロジーベンチャーのIPOが出てきつつある。
2011年にはディジタルメディアプロフェッショナル、モルフォ、ダブルスコープなど、
2006年4月のクラスターテクノロジー以来5年ぶりにテクノロジーベンチャーがIPOした。
■ 「スマート」こそがテクノロジーと市場をつなぐキーワード
スマートフォンから始まりスマートテレビ、スマート自動車、スマートハウス、スマートシティ、スマートグリッド(送電網)など世は挙げてスマート時代になった。
「スマート」の意味には、活発、素早い、先が読める、抜け目のない、頭の良い、インデリジェンスのある、洗練された、おしゃれな。すらりとした、スリムな等々の意味がある。
まさに企業に求められているものであり、テクノロジーカンパニーもこれからはスマートカンパニーへと変わる必要がある。
私が感じるスマートカンパニーの7つの条件を参考にしていただきたい。
1.強さと広がりのあるコアコンピタンス
世の中でプラットフォームとなるテクノロジーやビジネス領域を持つ。
2.マイコンセプト・マーケットの創出力
大きいけれど非効率な市場を見つける。
3.「使い場」からのソリューション提案力
先読み、逆読み、合わせ技を用い、驚き・喜び・感動・納得・共感を与えていく。
4.シリューション実現のためのプロデュース力
コアコンピタンス企業群を組みあせていく
5.スリム&スピード
社内はコアコンピタンスに絞り込んでいき、身軽になって速くする。
6.スマートセンサーネットワーク
グローバルな政治、経済、産業、社会、企業、人の意味情報をリアル感覚でとらえる。
7.グローバルスケールの事業展開力
企業規模とは関係なく、スタートからのグローバル展開する。
※全文は「THE INDEPENDENTS」2012年2月号にてご覧いただけます