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「最近のベンチャーキャピタルの活動」

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ネオステラ・キャピタル株式会社
常務執行役員 志村 誠一郎さん

昭和24年東京生まれ。昭和43年成蹊高校卒業。昭和47年成蹊大学法学部政治学科卒業。昭和47年IHI(旧石川島播磨重工業)入社 主に経理、税務を担当。平成元年NED(日本エンタープライズディベロップメント)入社 経理部長、投資部長等を歴任。平成10年NEDの投資部門営業譲渡により安田企業投資に移籍 投資担当常務取締役。平成19年新光証券入社。平成20年ネオステラ・キャピタル発足に伴い投資担当常務執行役員就任。

住所:東京都中央区日本橋一丁目17番10号 TEL:03-6202-9521
設立:1989年12月1日 資本金:100,400千円
http://www.neostella-cap.co.jp/

「イノベーションの創出、新規雇用の促進、日本経済活性化のために」

―環境認識(問題点)
 日本は人口減少による内需低下、グローバル化の遅れ、悪い財政状態と3重苦を抱えています。加えて、高い法人税、円高、労働規制、貿易自由化の遅れ、Co2規制、そして原発問題と合計で”9”重苦であると私は見ています。
 今年の新規IPO社数は、承認ベースで38社と増加傾向にはありますが、まだまだピーク時に比べると少ない状況であり、ベンチャーキャピタル(VC)の投資活動も停滞しています。

―新成長戦略の原動力
 閉塞感の漂う今の日本に求められているのは、やはりイノベーションの創出であり、中でも中小・ベンチャー企業の躍進です。そのために、必要なリスクマネーをきちんと供給する役割を、我々VCは果たさなくてはなりません。
 日本の年間R&D費は19兆円、GDP比で見ると世界第一位の水準です。基礎研究は極めて進んでいるのです。日本はそこから生まれる技術から新たに産業を創造しなければなりません。

―新成長戦略の実現のための解決策
 世界的に見ても著しい成長を遂げているアジアの中で、日本は「先進国」として位置しています。安全性の高い食分野、ブランド力のあるアパレル等は、アジアで高く評価されています。VCとしても、テクノロジー分野以外に新たな投資対象が広がっています。
 ベンチャー企業は、最初の構想からアジアや世界への展開を真剣に検討すべきです。一社単独では力不足でも、数社がユニットになって展開すれば道も開けてきます。当社投資先の一社は、中小の食品会社をグループ化し、それぞれの強みをうまく活かして事業展開しています。視点を変えれば、大きな成長可能性はいくらでもあります。

―最近のVCの活動
 VC自身も、アジア・世界へのネットワークを広げています。当社では、親会社みずほフィナンシャルグループと台湾経済部との間でMOU(業務協力覚書)を締結し、日台間のビジネスマッチングを積極推進しています。VCの金融仲介機能面だけでなく、アジア・中国に対する仲介業者としての機能をもっと活用していただきたいと考えています。
 最後にVCと付き合う際、考えてもらいたいことがあります。それは本音で語るということです。ベンチャーキャピタリストは数百、数千の経営者とお会いしているので、嘘は必ず見破られてしまいます。信頼関係が築ける経営者かどうかを我々は見ています。

【質疑応答】VCの活動状況について、現場で感じることは?
新規ファンドの組成が困難な中、投資に慎重になっていると感じます。一方で、今年はシード・アーリーステージ特化ファンドの活躍が目立ちます。またエクスパンションステージに大きな金額を投資するファンドも出てきています。ただアクティブなVCの社数は10社もないのが実態でしょう。現在、国に対して我々VCにもっとリスクマネーが供給されるよう働きかけています。


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※全文は「THE INDEPENDENTS」2011年12月号 - p23にてご覧いただけます