「Kipsの新体制について」

　前職の日本合同ファイナンス（現ジャフコグループ）では、毎週月曜日の朝8時に全国の投資部員が集まる開発会議がありました。昭和59年配属された広島支店の投資部員は同期の永冨修君と私の二人だけです。毎週、交互に東京に出張して中四国地域の魅力的な企業発掘をして報告しなくてはなりません。広島市内の企業を一通り飛び込み外交した後には、新幹線に乗って福山、高速フェリーに乗って松山へアポなし訪問をしていました。開発会議での報告には社長面談が絶対条件でした。トップの経営戦略を直に聞く事の重要性は今も昔も変わりません。

　私の最初の投資先は玉子焼き製造の株式会社あじかん（東２：2907）でした。何とか足利政春社長（当時）に会えたものの資金需要がなく次の外交が続きません。そこでコンサルティング部の課長に同伴していただき資本政策を提案、投資が決まりコンサル業務も契約できました。その後、転勤した大阪支店では当時ジャフココンサルティングに監査法人から転職してきた小田稔さん（現WIN Consulting代表）と一緒に訪問して、合併、減資、現物出資など様々なスキームを提案実行し投資成果を出す事ができました。

　㈱Kipsの3月24日定時株主総会で2009年入社の高田諭君と株式会社AGSコンサルティングで数多くのIPOを成功させてきた小原靖明さんが弊社取締役に選任されます。高田新取締役にはイベント・メディア事業に加え、全国の有望企業発掘の責任を担ってもらいます。小原新取締役には資本戦略、事業戦略、上場戦略のコンサル事業の責任者をお願いします。今後は情報を得る地道な活動とそれを共有する体制、知識を実践に活かす知恵を強化する体制を強化していきたいと思います。

※「THE INDEPENDENTS」2021年2月号 - p23より