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「低コストで利便性の高い宇宙輸送インフラを民間の力で構築する」

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【緒川 修治 氏 略歴】
生年月日:1970年5月30日 出身高校:愛知県立瑞陵高校
1994年福井大学工学部機械科卒業後、三菱重工業で新型航空機開発プロジェクトに参加。2001年東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻工学修了(升谷五郎研究室)。同年アイシン精機入社。2007年PDエアロスペース(株)設立、代表取締役就任。

【PDエアロスペース株式会社】
設 立 :2007年5月30日
資本金 :796,000千円(資本準備金含む)
所在地 :愛知県名古屋市緑区有松1759
R&Dセンター:愛知県碧南市港本町1-27
事業内容:宇宙機開発、宇宙旅行、宇宙輸送事業

<起業家インタビュー>

低コストで利便性の高い宇宙輸送インフラを民間の力で構築する


■貴社が開発するスペースプレーンは、航空機スタイルで離着陸する宇宙飛行機です。

 この機体はサブオービタル(弾道飛行)という、空港から高度100kmほどの高高度まで飛行し、弾道を描くような起動で再び空港へ着陸します。従来の垂直打ち上げ型ロケットと違い、機体は使い捨てではなく再利用ができます。着陸のやり直し、ダイバード(別空港へ振り替え)、いつでもアボート(ミッション中止)が可能です。
 当社はジェット燃焼とロケット燃焼を切り替えて使う新しいコンセプトのエンジン開発技術及び特許を有しています。単一の機体エンジンを搭載した有翼機で飛行する事で、2種の機体を運用するVirginG社の手法に比べ、安全性や経済性が飛躍的に向上すると考えています。

■欧米では既に多くのベンチャー企業が、民間ならではの発想手法で、宇宙機の開発に着手し運用段階に入っています。

宇宙旅行や超小型衛星の打上げ等の用途を見据え、2004年には50名足らずのベンチャー企業が、民間初の宇宙飛行を既に実現しています。VirginG社は2,500万円の宇宙飛行チケットを販売開始し商業運航開始準備中です。宇宙旅行の市場規模1,500億~2,000億円になると言われています。

■これまでサブオービタル飛行は国内法での取り扱いが定まっていませんでした。

ロケット・衛星は「宇宙活動法」、航空機は「航空法」が定められています。現在はサブオービタル機の往還飛行の安全性確保については『サブオービタル飛行に関する官民協議会』(内閣府 宇宙開発戦略推進事務局、国土交通省 航空局)にて議論がなされています。

■第一段階として、サブオービタル無人実験機「PDAS-X07」による高度100km到達および帰還を2022年に計画中です。

その後、第二段階として2025年~にはサブオービタル有人機で宇宙旅行実現を目指しています。将来的な構想として、オービタル機による小型衛星軌道投入と滞在型宇宙旅行です。宇宙空間を経由した2地点間飛行で、物資や人員の輸送を実現し、による地球環境の把握、宇宙環境の利用促進を考えています。

■沖縄県と「下地島空港宇宙港事業」について合意しました。

下地島空港は、3,000m長の滑走路、高度な航空管制機能に加え、南北に訓練空域を保有するなど、宇宙港の適地として高いポテンシャルを有しています。当社では宇宙飛行機の飛行試験をはじめ、①宇宙機用ハンガー(格納庫)を用いたテナント事業、②宇宙旅行に対応する訓練事業、③観光事業を展開していく計画です。

■2016年10月からの資金調達累計額約8億円になります。

ANAホールディングス、HISグループ、みずほグループに加え、東北大学ベンチャーパートナーズ等のVCからも出資いただきました。ANAホールディングスやHIS、地方自治体からは出向者も受け入れています。総額150億~200億円の資金調達を目標に5年後にIPOを実現したいと思っています。

(2020.10.8 interviewed by 國本行彦)

※2020年11月号掲載時点での情報です


PDエアロスペース株式会社

住所
愛知県名古屋市緑区有松3519
代表者
緒川 修治
設立
2007 年5 月30 日
資本金
6,040万円(資本準備金含む)
従業員数
事業内容
宇宙機開発、製造など、宇宙関連事業の展開
URL
http://pdas.co.jp/company.html
情報更新日
2020年12月15日

※上記は、情報更新日時点での情報です。