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「革新の技術で新薬開発にブレイクスルーを起こす」

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【亀井 朗 氏 略歴】
生年月日:1953年4月23日 出身高校:高松高校
1978京都大学情報工学修士修了後、東洋エンジニアリング(株)入社。2000年Peregrine Ltd.入社。2001年ソフトバンクパブリッシング(株)入社((株)コンパスCEO、Click2learn CEO, E-book Systems COO)。2009年 NRIネットコム(株)入社。2014年当社設立、代表取締役就任。

【沖縄プロテイントモグラフィー株式会社】
設 立 :2014年6月25日
資本金 :80,000千円
所在地 :沖縄県国頭郡恩納村字谷茶1919-1
事業内容:タンパク質分子の構造解析サービス
従業員数:43名(パート含む)



革新の技術で新薬開発にブレイクスルーを起こす


■沖縄科学技術大学院大学(OIST)ベンチャー

当社は、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の構造細胞生物学ユニット代表のウルフ・スコグランド教授が開発したタンパク質の3次元解析技術を活用したOIST発ベンチャー第一号として設立されました。2014年に日本で初めてクライオ電子顕微鏡とプロテイントモグラフィー法を組み合わせた分子構造解析の商用サービスをスタート。国内外の製薬企業や研究機関などの顧客より、少量のタンパク(サンプル)溶液を入手し、3次元で可視化した個別分子の構造解析レポートを1サンプルあたり300~500万円で提供しています。

■新薬開発に欠かせないタンパク質解析で新手法を確立

タンパク質の構造を知ることは、新薬開発の大きなヒントとなり、効率的なプロセスを可能にします。トモグラフィー法を活用した分子構造解析は、①結晶化が不要、②個別分子の構造解析のため分子のダイナミクス(さまざまな形態のまま)を捉えることが可能、③無染色・無置換で試料を急速凍結し生体内に近い環境で可視化できるため、従来手法に比べて短時間での精度の高い解析が可能になり、今までは構造解析ができなかったタンパク質の可視化に成功しました。

■クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析のトータルサービスを提供

2019年7月よりクライオ電子顕微鏡によるタンパク質の高分解能構造解析サービス(単粒子解析サービス)を開始しました。単粒子解析サービスは、1分子単位で解析を行うトモグラフィー法に比べて解析時間はかかりますが、分子構造を高分解能で得ることが可能です。今後は、長所と短所の補完関係にある両手法をユーザーの目的に合わせて提案していきます。

■今後の事業展開

現在は、OISTで開発された技術およびソフトウェアを使った受託型のサービスを展開していますが、将来的には他の構造解析手法のサービス化やトモグラフィー法の解析ソフトウェアのライセンス提供も検討しています。今後は、海外市場や提携パートナーの開拓にも注力していきます。OIST発の最先端技術を核として、沖縄県の自立的発展に寄与するグローバル企業を目指します。

※2019年12月号掲載時点での情報です