「ホビーでもっと楽しい世界を!」
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【藤原 真吾 氏 略歴】
生年月日:1983年4月23日 出身高校:上宮高校
大阪市立大学法学部卒業後、外資系製薬会社にてMRとして、最優秀営業賞など数々の成果を残す。2016年より関西支店長として全社戦略、エリアマーケティング、組織運営を経験。パラレルキャリアとして兼務にて1年半ハンドメイド業界を経験後、2018年当社設立、代表取締役に就任。グロービス経営大学院経営研究科経営専攻。
【tryangle株式会社】
設 立 :2018年2月15日
資本金 :21,250千円
所在地 :大阪府大阪市北区紅梅町2-17 第8田渕ビル3階
事業内容:ハンドメイド特化型SNS×EC(ソーシャルコマース)事業
従業員数:4名
<起業家インタビュー>
ホビーでもっと楽しい世界を!
~テクノロジーでハンドメイドのNo.1プラットフォーマーを目指す~
ハンドメイドECをテクノロジーとコミュニティの力で促進し
プラットフォーマーとしてホビー業界全体のIT家を目指す起業家
■ハンドメイド業界にITを導入する
当社は、女性向けのハンドメイドをターゲットとしたビジネスを展開しています。手芸を中心とするハンドメイドは昔から20~60代の幅広い女性層に人気があり、1,100万人の市場規模があります。ところが、当社がビジネス参入しているハンドメイド業界は、デジタル化が進んでいません。そこで、私どもはここにITを導入し、これまで市場になかった新しい価値を創造しようと、ハンドメイド専用のSNSアプリ「croccha(クロッチャ)」をリリースしました。■グロービス経営大学院での出会いからハンドメイド業界に参入
私がこの業界に入ったのはグロービス経営大学院でMBAを取得する過程で、同級生だった現当社取締役副社長 福田と出会ったことがきっかけです。当時、福田はすでにハンドメイドのネットショップを起業し、SNSを使って成功を収めていました。福田からハンドメイド業界の現状や課題を聞き、あらためて世の中を見渡してみると、ハンドメイド部材を取り扱っている店舗はたくさんあり、非常に大きな市場なのだということを実感しました。そこで、これは面白いと思い、ハンドメイド業界において確実なノウハウを持ち、コミュニティマーケティングを成功させてきた福田と一緒に起業しました。■EC化が遅れているハンドメイド業界
現在、物販分野のEC化率は右肩上がりに伸びています。しかし、ハンドメイド業界はトップシェアの藤久(東証1部、売上高約190億円)や、ユザワヤ商事(未上場、売上高約150億円)の大手でさえEC化率はおよそ数%と言われます。これは仕入部材点数が膨大でかつ物流在庫管理に手間暇がかかるため、EC化に対応できていないからです。■ハンドメイドのECが普及していない理由
取締役の福田が運営しているハンドメイドのSNSにはハンドメイドユーザーから「作り方がわからない」「材料の名前がわからない」といった声が多く寄せられています。またSNS仲間から教わった作品を作ろうとしても材料の購入に実店舗に足を運ぶなど非常に労力もかかっています。最近はハンドメイドを扱うネットショップも増えましたが、文字入力による商品検索が主体で、ユーザーは材料の名前がわからいないため、欲しい商品を的確に探すことに苦労しているのが現状です。
■ハンドメイドのSNS×ECを目指すサイト「croccha(クロッチャ)」
「croccha」は、ハンドメイドを作る方々が作品を通して繋がり、作り方や材料などを共有することのできるサービスです。先に述べたユーザーの課題を解決するために、ユーザー同士が作り方や材料を教え合うハンドメイドに特化したSNSをスマートフォンアプリで提供するとともに、ユーザーが投稿した作品に使用された材料を直接ECサイトで購入できるサービスを開発したのです。「croccha」は、2019年9月19日に正式にオープンしました。β版として半年間運用した間でユーザー数は約3,000名、投稿数は約5,000件ありました。
■材料の名前がわからなくても購入できる「croccha」
「croccha」ではAIで投稿されたアイテムに自動でECサイトの商品URLを紐づけ、材料購入に繋がる機能を開発しています。これにより、作品のレシピやSNSに投稿されたアイテムや作品のレシピをタップするだけでECサイトに繋がりすぐに材料が買えます。既にかなりのデータが溜まってきており、最終的には画像認識によって、完全に自動化させたいと考えています。■ホビー関連市場、海外市場を視野に入れ上場を目指す
ガーデニング、DIYを含めたホビー関連市場は8,600億円です。まずハンドメイド業界でEC化に向けたボトルネック問題を解消すると同時にビジネスモデルを確立してホビー関連市場に展開していきます。そのために、AIの最適化を進め、ユーザー満足度を向上させていきます。また私どもは在庫を持たないモデルを構築していますが、ハンドメイド入門キットやOEM事業によりさらなるビジネス拡大を図ります。そのうえで、大型調達を目指してECのモールを作っていこうと考えており、2024年には上場を目指します。上場後は、海外市場への展開も視野に入れています。5兆円と言われるアメリカのハンドメイドの市場にゆくゆくは乗り込んでいきたいと考えています。
(2019.10.7 interviewed by 國本行彦)
※2019年12月号掲載時点での情報です