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「高周波技術とITで健康増進と疾病予防に貢献します」

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【遠藤 寿 氏 略歴】
生年月日:1965年5月
アンリツ(株)を経て2014年SONIX(株)(現シンプレクスクオンタム(株))を設立、代表取締役就任(2016年退任)。2018年3月当社設立、代表取締役社長就任。

【LuceXテクノロジー株式会社】
設 立 :2018年3月23日
資本金 :15,266千円
所在地 :東京都中央区日本橋本石町3-3-8 5階
事業内容:医療用電子機器の開発・製造
従業員数:5名


高周波技術とITで健康増進と疾病予防に貢献します


■事業の背景

 私は測定器メーカーにて長年企画・販売業務に従事してきました。現在、日本の電子工学をもとにしたセンサー開発は世界の大学、企業連合に追い抜かされつつあります。欧米では既に各種センサーに関する研究が進んでおり、近い将来これらが市場に投入されれば、電気、自動車、医療、農業など様々な分野において、特にイメージング、センシング技術面で応用されることは必至です。広範に利用されるシステムとしての基盤技術の開発は、未来の産業や生活スタイルを大きく変貌させることになります。したがって、日本においても広範な産業や生活分野で利用されるセンサー技術の社会実装が急務となっています。こうしたニーズを背景として、当社では日本の大学や研究機関に限らず、世界の大学研究機関の力を結集し、世界にオンリーワンと誇れる医療、ヘルスセンサーをリリースしていきます。

■高機能ヘルスウォッチの薬事承認を目指す

 現在開発中のヘルスウォッチ『T 93 Pro』には、歩数や消費カロリーを計測する通常の活動量計機能に加え、血圧や動脈血酸素飽和度*を計測する機能が備わっています。これによって成人病の予防のみならず病気の早期発見まで可能です。独自のLEDセンサーによって 測定精度を劇的に改善し、現在一般的に用いられている手法と同等の精度で測定が可能です。スマートウォッチを中心にした活動量計市場は世界で年間2億5千万台を達成していますが、ヘルスウォッチをメインにしている市場はまだ立ち上がっていません。日本における薬事承認に加え、米国FDA(アメリカ食品医薬品局)の承認取得を目指しています。保険会社や病院、製薬会社、保険会社等を中心に販売し、将来的にはモジュールとSDKキット(ソフトウェア開発キット)として展開していきます。
(*呼吸器疾患等の診断に用いられる値)

■今後の事業展開

 ヘルスウォッチの開発に加え、新型の静電センサーや血糖値センサーの開発へ着手していきます。心電計測、熱中症センサーへの応用に期待される非侵襲性の脈波センサーや呼吸センサー、体動センサーの商品化や、がん検診にも用いられる 血糖値センサーの開発を検討しています。将来的にはヘルスウォッチを中心としてPHR*を収集・利活用するプラットフォーマーを目指します。(*Personal Health Record=個人の医療データ)

※2019年11月号掲載時点での情報です