「電子書籍による収益戦略」
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株式会社ファンタジスタ
代表取締役 栗原 弘樹さん
1969年 新潟県新津市出身。88年 新潟第一高等学校卒業。90年 新潟コンピュータ専門学校卒業。90年 学校法人新潟総合学院入社。90年 同法人が経営する新潟コンピュータ専門学校勤務。05年 株式会社ファンタジスタ設立、代表取締役就任。
住所:新潟県新潟市中央区白山浦2-1-18 ITP白山浦ビル2階
TEL:025-234-3421 設立:2005年2月8日 資本金:1,500万円
http://fantasista-net.jp/
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―電子書籍投稿・配信システム「mixPaper」がビジネスプランコンテストで優秀賞を受賞した。栗原:使いやすさ、分かりやすさが評価された。iPadやKindleなど電子書籍が話題になっており、タイミングもよかったのではないか。
―『mixPaper』のコンセプトは。
栗原:2009年4月28日にサービスインして一年経つが、スタート時に考えていたのが『誰でも出版できる』サービスをつくること。電子書籍に関して何か始めたい、という人のファーストチョイスになればいいと思っている。そのために価格も抑え、さらに無料プランも用意した。読める、売れる、買える、とあらゆることをやってサービスが複雑にならないよう、アップロードしたものを誰でも読めます、という機能に絞った。
―収益化するための戦略はどのように考えているか?
栗原:開発のきっかけとなったマンガSNSは、ページビュー(PV)が増えても広告収益でペイできる目算が立たなかった。そこで『mixPaper』は無料利用者には広告モデルで、広告枠を敬遠する利用者には有料で提供する仕組みをとった。月額利用料は500円(300MB)からとなっている。企業が不況で広告費を削減する中、販売促進として自社カタログやパンフレットが掲載利用される例が増えている。
「今後は、『mixPaper』のサイト上で自分の本を売りたい人(出版社でも個人でも)からの課金モデルを考えている。コンテンツを投稿・配信するインフラ上にクレジットカード機能などを噛ませる事で誰でもWeb上で本屋ができるようにしていく。『iPhone』や『アンドロイド端末』にも対応させていく。
―『YouTube』は収益モデルが確立できず赤字だが。
栗原:『YouTube』は動画配信のインフラ整備にものすごいコストがかかる。『mixPaper』も読む(見る)側は無料で、配信する側から徴収するという点では共通しているが、損益分岐点が圧倒的に低い。しかし配信する側から収益を得るモデルだけでは限界があると感じている。
―現在の収益状況は。
栗原:月額利用料は500円プランが圧倒的に多い。これに加え、カスタマイズ制作にも別途対応している。実績としては新潟アルビレックスの会報誌配信システムの構築など。会員登録は1,100名ほどで平均単価は10,000円以下。
―『mixPaper』のビューワーとしてのアドバンテージは。
栗原:技術的なものより、漫画SNSで3年半培ってきたユーザーからの建設的な意見だ。私自身のIDで積極的にユーザーとコミュニケーションを図ってきた。それを反映させた結果、ユーザーインターフェースやアップロードを使いやすく改良した点。
『iPhone』は『Flash』に対応していないので『Ajax』というプログラミング言語を使っている。ただPCサイトのような紙がぺラっとめくれるギミックは出せない。
―成長しているケータイコミック分野からの参入は。
栗原:携帯ビューワー(端末ソフト)のセルシス(名証:3829)はキャリアへ提供する収益モデル。コンテンツプロバイダーのビービーエムエフやNTTソルマーレは、既に売れているコミックをケータイで配信するので出版社側の立場。
「mixPaper」はweb上の電子書籍の投稿・配信システムであり、ビューワーはあくまで機能の一つ。当社はクリエイターの立場でコンテンツを投稿する機能(アップロード)や販売システムを構築していく。
※全文は「THE INDEPENDENTS」2010年6月号 - p6-9にてご覧いただけます