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「商業施設や遊園地の遊休スペースをVR施設に変える『COMPACT VR』」

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【山田 泰央 氏 略歴】
生年月日:1986年4月9日 出身高校:徳島県立小松島高校
10代の頃からフリーランスプログラマーとして活動を開始し、ゲーム開発を経験。2006年からWeb開発を開始し、ECサイト、や求人サイト、アドネットワークのシステム構築など大規模なシステム開発を経験。2007年、MCTP(モバイル・コンテンツ・テクニカル・パートナーシップ) にて大阪府知事賞受賞。2009〜2010年にかけてオーストラリアに留学。帰国後、複数社の技術顧問を経て、2011年2月当社設立、代表取締役CEOに就任。2018年6月日本バーチャルリアリティ学会、評議員に就任。

【株式会社ダズル】
設 立 :2011年2月22日
資本金 :222,480千円
所在地 :東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目17番14号
事業内容:『COMPACT VR』の開発・提供
従業員数:8名



商業施設や遊園地の遊休スペースをVR施設に変える『COMPACT VR』


■VRアトラクション『COMPACT VR』

 当社は遊園地や商業施設などの遊休スペースを体験型VR施設として運用する『COMPACT VR』の開発・提供を行っています。5m×5mのスペースさえあれば、VRヘッドマウントディスプレイとAndroidスマートフォン1台のみでアトラクションを運用することができます。ゴールデンウィークにそごう徳島店の屋上で『COMPACT VR』を営業した際には10日間で1,300名を動員し、SC内の他テナントの売上増にも貢献しました。

■家庭用VRから施設型VRへ事業転換

 2015年頃に世間でVRが話題になり始めた頃は、VRの個人所有の拡大が予想されていました。当社は2015年12月から本格的にVR開発を主事業とし、受託も含めると30本以上のVRタイトルを⼿がけました。しかしその後3年間で個人所有の伸びは予想を下回り、開発から撤退する企業も増えてきました。そこで当社は、これまでの開発で培った知見を活かし、施設型VRアトラクションの提供を通して、VRをより身近に誰でも楽しめるものとして世間に広めるべく事業転換を行いました。
フリーロームVR(*)を提供する競合のコンテンツは、事前予約の上30分程度の利用時間を要し、より広いスペースが必要です。一方当社の『COMPACT VR』は5~10分程度のコンテンツで予約の必要なく、買い物のついでに気軽に楽しめるものを目指しています。VR空間内を4倍に拡張する独⾃の技術によって、現実より広い空間の中を歩く感覚を味わうことができます。(*プレイヤーがフィールド内を自由に歩き回るVR)

■今後の事業展開

 『COMPACT VR』の導入先で上がった収益のレベニューシェアを当社の収益としています。コンテンツはホラー系を皮切りにアクション系、子供向けなど老若男女問わず楽しめるゲームの開発を進めています。ユーザーが施設を訪れるたびに新しいVRコンテンツに触れられる環境を整えるべく、1.5か月に1本のタイトルをリリースするための開発体制の強化が課題です。今後も大手SC運営会社との提携を中心に全国へ展開し、集客ツールとしてニーズの高い遊園地も対象に拡大を進めていきます。国内展開と並行して海外展開を行い、海外市場も含めた上場を目指します。

※2019年8月号掲載時点での情報です