「地方企業の資本戦略」
=$DATE?> 公開
=$CORP_NAME?>
=$CORP_KANA?>
=$CORP_KANA?>
=$PERSON_POSITION?> =$PERSON_NAME?>
=$PERSON_KANA?>
=$PERSON_KANA?>
株式会社デジタライズ
代表取締役 藤本 英俊さん
1979年広島県広島市出身。98年 広陵高等学校卒業。2000年 広島コンピュータ専門学校卒業。02年 有限会社デジタライズ設立、代表取締役就任。04年 株式会社デジタライズへ組織変更。
住所: 広島県広島市西区西観音町2-1 第3セントラルビル1F
TEL:082-532-6350 設立:2002年4月1日 資本金:2億2,000万円
http://www.digitalize.biz/
=$NAME2?> =$NAME3?>
=$NAME4?>
―ベンチャーキャピタルからの資金調達を考えたのはいつからでしょうか?藤本:「Pitta!」(オンライン広告マーケットプレイス)は新規事業であり、売上の予測が困難なため銀行借入による資金調達(FS)は厳しい状況でした。ベンチャーキャピタル(VC)から出資も、はじめは絶対に無理だと考えていたのですが、東京に事務所を出してみて、良い提案なら受け入れるという姿勢の企業が多く無名の当社にもビジネスチャンスはあると感じました。そして、東京では自分たちと同じような規模の会社にVCが投資していることも知りました。知人の会計士に相談してみたところ「きちんとプロセスを踏めばVCからFSできる」と言われ、2008年1月からVCへプレゼンテーション活動を始めて半年後にFSができました。
―複数のVCから資金調達を行うことに違和感はありませんでしたか?
藤本:東京のngi group株式会社(マザーズ:2497)が最初に5000万円の投資を決定し、広島ベンチャーキャピタル、エス・ケイ・ベンチャーズ、とっとりキャピタル、ごうぎんキャピタルの中国地方のVC4社から残りの6000万円を出資いただきました。VCは1社で投資すればリターンも大きいがハイリスクな事業です。そこで複数のVCがリスク分散のために投資検討の紹介をすることは理解できましたし、多くのキャピタルの皆様に事業の将来性を評価していただき感謝しております。5社のVCからのFS合計1億100万円は当時の売上とほぼ同じ金額です。
―VCの貴社に対する評価ポイントは何でしょうか?
藤本:赤字は創業期だけで会社設立して5年間、毎期きちんと利益を出していました。この点は大きな評価ポイントだったようです。ところが提出した事業計画は増資後2年間連続して赤字の見通しでした。当時の収益の柱であるHP制作事業から、開発や営業人員を事業にシフトし、新規事業を成長させるための体制構築を計画していたためです。VCとは市場ニーズや競合先状況、ビジネスモデルについて何度も議論しました。最終的には媒体主や広告主へVCが直接ヒアリングに行き、「Pitta!」の将来性に高い評価をいただきました。
―2回目のファイナンス(FS)で苦労された面はどこですか?
藤本:当初の事業計画に対し、システム開発の遅れが原因で売上計画は大幅に未達成となりました。開発を途中で止めるとサービスが開始できません。初回FS時点から2回目のFS実施を前提に事業計画を作成していましたが、FS調整に半年もかかり資金的にどんどん苦しくなりました。紆余曲折はありましたが既存株主であるngiと広島ベンチャーキャピタルが追加FSに応じ、新規で大和SMBCキャピタル、いよぎんキャピタル、そして中国銀行より出資をいただきました。株価を前回FS時に比べ引き下げたことで調達金額は当初予定を上回る1億円に増えました。ngi groupには株価引き下げのアドバイスだけでなく既存株主間での調整もしていただきました。
―「Pitta!」の事業概況について教えてください。
藤本:現在、広告枠が約7,000件で広告主は約300社です。媒体は人気の個人ブログから新聞社やテレビ局など規模もジャンルも様々で、広告主は目的に合う媒体を選んで、Web上で出稿できます。マーケットプレイスには一定の規模感が必要ですが、2010年3月には、目標としてきた月間広告配信数10億インプレッションを突破し、取引量・売上ともに右肩上がりで成長を続けております。今後も更なる広告プラットホームの拡大に注力していきたいと考えております。
―株式公開(IPO)についてはどのように考えていますか?
藤本:IPOについて一番魅力を感じているのは「人材の獲得」です。現在の当社サービスがそのままで30年後まで継続していくのは難しい。日々変化する市場のニーズ、に合わせて、新たな一手が打てる体制づくりが必要です。それには人材面、資金面でIPOが非常に有効だと考えています。
―広島発の起業家としての抱負をお聞かせください。
藤本:たまたま生まれ育った広島で起業しましたが、結果的にそれがよかったと感じています。常にアンテナを張っておくことは必要ですが、競合の多い東京ではなく、少し離れた広島にいるからこそ、冷静に事業展開が判断できています。さらに資金調達面では、広島ベンチャーキャピタルを中心に中国地方のVCや地銀に温かく支援していただきました。地方が本社の会社ですが、これからも広い視野でサービスを展開していきたいと思います。
推薦者のコメント(広島ベンチャーキャピタル 合谷 和洋)
中四国地域のベンチャーキャピタル会社で集まり、各々の地方の有望企業を紹介し合いながら、みんなでリスクを取り合い、支援していこうという話をしています。デジタライズはその第一号です。今後も地域のベンチャーキャピタルで連携を深め、成功事例を数多く輩出していきたいと思っています。
※全文は「THE INDEPENDENTS」2010年5月号 - p4-7にてご覧いただけます