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「人とロボットが共生する新たな未来を切り拓いていきます」

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【髙本 陽一 氏 略歴】
1956年2月24日生まれ。福岡県立小倉高等学校出身。神奈川大学法学部卒業後、大阪市の産業機械製造会社に入社。1984年髙本商会に専務として入社。2000年(株)テムザック設立、代表取締役就任。

【株式会社テムザック】
設 立 :2000年1月4日
資本金 :382,000千円
所在地 :福岡県宗像市江口465番地
事業内容:サービスロボットの開発・製造・販売
従業員数:18名



<起業家インタビュー>

「人とロボットが共生する新たな未来を切り拓いていきます」


あらゆる分野でロボットを作り続ける業界のパイオニア
世の中にないロボットの新しい価値を生み出す起業家

<2018年12月13日、株式会社ロビックス(株式会社テムザックと九州電力グループの通信会社QTnetの共同出資で2017年に設立)が、新型ロボットのコンセプトモデルを発表しました>




■2017年京都市に中央研究所を設立しました。

大型のロボットの製造は九州・宗像の本社で行っていますが、AIや自動運転などの先端研究は中央研究所で行っています。「西陣織」で有名な京都西陣にある帯地メーカー「渡文」の所有する織物工場跡を活用しており、国内外の様々な企業との共同研究を行う拠点として体制を整えています。京都には、府や市が特区申請を積極的に行うなど町自体にものづくりベンチャーの成長を支えてくれる風土があり、私自身も京都に移住して研究に注力しています。

■2000年の会社設立からロボット開発を続けてきました。

当社ではAI、モーター制御、クラウドコンピューティングなどの先端技術を取り入れたロボット「X-ROID」を開発しています。これまではロボットは世間にとって未知のものであり、有用性を理解してもらえないこともしばしばありました。しかし今後5年でサービスロボットは急速に世間に広がり、少子高齢化社会にはなくてはならない存在になります。私たちは、人には危険であったり難しい作業を可能にする頼れるロボットが普及することで、ロボットが人の暮らしを支えるパートナーとして活躍する社会を実現したいと思っています。

■アメリカや中国では軍事技術とからめた実用ロボットの開発が急速に進んでいます。

法規制が厳しく実証実験すら容易に行うことができない日本はこのままでは国際競争に打ち勝つことはできません。当社は国内外の大学研究機関や大手メーカーとの技術者ネットワークを活用することで、低コスト且つ高パフォーマンスな開発力を発揮しています。これまでに企業や官公庁から受注を受け災害用、医療、警備など幅広い分野で30種類以上のロボットを開発してきました。自分たちの作りたいロボットではなく、あくまで顧客のニーズに基づいて本当に人の役に立つロボットを生み出しています。

■2009年に開発がスタートした『RODEM』は今までになかった新しいスタイルの”乗れるロボット”です。

2018年8月から医療・介護施設を中心に屋内用『RODEM』の導入が進んでいます。車体の後ろから身体をスライドさせて乗り移るため、身体が不自由な人でも1人での乗り降りを容易にすることができます。高齢者・障がい者向け自立支援器の市場は2020年には400億円を超えると言われており、国内外で競合は増えていますが、『RODEM』のような跨るタイプの車いすを開発している企業は世界でも類を見ません。今年中にJIS認証を取得して安全規格の法的問題をクリアしていきたいと考えています。

■屋外での実証実験を2018年7月に京阪バス、NTTドコモと協業して京都・嵐山で行いました。

日本では最高速度が時速6キロに制限されていますが、ヨーロッパと同じ時速15キロ(自転車と同程度)に引き上がれば『RODEM』の利用方法も広がると考えています。その一つが観光客を対象として『RODEM』を駅や駐車場から目的地までの「ラストワンマイル」を楽しく移動するための新しい交通手段として貸出するモデルです。自動通訳や経路の案内ができるタブレットを搭載しているため、外国人観光客をサポートすることもできます。気軽に楽しめるリーズナブルで便利なサービスとして、観光地への普及を目指しています。

■新しい都市交通システムとして『RODEM』の導入も検討しています。

ヨーロッパを中心に、環境保護や渋滞解消のため都市中心部への自家用車の乗り入れを禁止し、シェアリングを奨励する動きが活発になっています。私たちは自転車のシェアリングのように町中に『RODEM』を設置して誰でも乗れるようにし、乗客が目的地に到着した後は自動運転でハブステーションまで戻る新しい交通システムを提案しています。京都・けいはんな地区での実証実験を計画しており、5年以内に国内外の街でこのシステムを導入することが目標です。通勤途中で自家用車から『RODEM』に乗り替えて会社まで向かうという未来もそう遠くないと思います。

■今後の事業展開について教えてください。

屋内型『RODEM』の国内外への販売を進めつつ、2019年に観光業向けの屋外型『RODEM』の展開を開始します。積水ハウスからの受託で開発した天井施工建築ロボットなど、現在進行している他の受託開発製品の量産展開も並行して行っています。量産体制を拡大するため、2018年中の資金調達を希望しています。2021年の上場を目指しており、日本、そして世界の人々の役に立つロボットを生み出すべく成長していきます。

乗れるロボット『RODEM』


嵐山での『RODEM』の実証実験の様子


(2018.10.3 文責:大森)