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「『クレープロボット「Q」』で料理プロセスをスマート化」

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【森 啓史氏 略歴】
1977年生まれ。佐賀北高校出身。 2001年芝浦工業大学卒業後、スズキ(株)入社。2017年7月(株)モリロボ設立、代表取締役就任。

【株式会社モリロボ】
設 立 :2017年7月1日
資本金 :11,000千円
所在地 :静岡県浜松市中区和地山3丁目1-7 浜松イノベーションキューブ
事業内容:クレープ生地焼きロボットの開発販売
従業員数:1名


No.900 株式会社モリロボ


『クレープロボット「Q」』で料理プロセスをスマート化


2018年8月22日 静岡インデペンデンツクラブの様子


■クレープの生地づくりを自動化

『クレープロボット「Q」』は、調理が難しいクレープ生地を、スイッチひとつで安定してつくってくれるロボットです。スイッチを押すと、レコードを乗せるターンテーブルのように回転する鉄板の上に生地が流しこまれ、薄く伸ばしながら生地を焼き、焼き上がった生地は自動で隣の作業台に運ばれ、あとはクリームやフルーツを人が盛り付けるだけでクレープが完成します。

■クレープロボットで外食産業の負担を軽くする

従来のドラム式やフライパン式のクレープロボットは、生地のサイズや厚さの調整が難しく、広い設置スペースとオペレーター人員が必要でした。『クレープロボット「Q」』は、独自開発の技術により焼き加減やサイズのムラの解消ができ、クレープを焼く専任スタップも不要になります。人手不足が深刻化する外食産業において省人化に貢献し、レシピ開発や盛り付けなど人が価値を発揮できる仕事に集中できるようになります。

■自動車生産の知識をクレープロボットに応用

学生時代にクレープ屋でアルバイトし、熱い鉄板に向かってひたすら生地を焼き続けた経験から、「クレープ生地を焼くロボットを作りたい」と思うようになりました。大学卒業後、スズキ(株)でロボット技術を中心とした生産技術部門で働き、生産ラインの省人化を追求していました。大手企業の技術者としての道を進むか迷っていましたが、2017年春に起業家向けイベント「スタートアップ・ウィークエンド浜松」に参加したことで起業を決意しました。クレープロボットには、高い自動化による生産性向上が図られている自動車工場の技術が活かされています。

■今後の事業展開

今後は、自動で生地を安定的につくる技術(特許出願中)をライセンスし、機器の製造・販売は他社メーカーを通じて展開していきます。また、クレープロボットの技術を応用し、南インド市場向けに「ドーサ(クレープのような南インドの主食)」ロボットの開発を予定しています。日本における米飯の炊飯ジャーのように、巨大市場である南インドでの家庭向け普及を目指します。スズキ(株)がインド市場で自動車シェアの約50%を獲得したように、浜松発のものづくり企業としてグローバルに飛躍したいと考えています。