「アプリ『1ROLL』で動画ソリューションの世界を変える」
公開
<話し手>
(株)フレイ・スリー 代表取締役CEO 石田 貢 さん
1977年金沢市生まれ。(株)フレイ・スリー代表取締役CEO。デジタル広告黎明期にキャリアをスタートし、大手企業サイトを多数立ち上げた後、ピラミッドフィルムグループにて映像・3DCGを活用したブランディング、デジタル広告キャンペーンのクリエイティブを展開。国内外の広告賞を多数受賞し、2012年にフレイ・スリーを設立。スマートデバイスとソーシャル領域を中心に、クリエイティブバックボーンを生かしたデジタル広告ソリューション、サービスの企画開発を行っている。
<聞き手>
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 鮫島 正洋さん(左)
1963年1月8日生。神奈川県立横浜翠嵐高校卒業。
1985年3月東京工業大学金属工学科卒業。
1985年4月藤倉電線(株)(現・フジクラ)入社〜電線材料の開発等に従事。
1991年11月弁理士試験合格。1992年3月日本アイ・ビー・エム(株)〜知的財産マネジメントに従事。
1996年11月司法試験合格。1999年4月弁護士登録(51期)。
2004年7月内田・鮫島法律事務所開設〜現在に至る。
鮫島正洋の知財インタビュー
アプリ『1ROLL』で動画ソリューションの世界を変える
■プロ仕様の動画制作が可能になるアプリ『1ROLL(ワンロール)』
石田:「1ROLL」はスマートフォン一つで誰でも簡単に企業の広告・宣伝向けの動画制作ができるアプリです。鮫島:企業のプロモーション用動画は、今まではプロに依頼して数十万円で制作してもらっていました。なぜ今までの動画制作には高いコストがかかっていたのでしょうか。
石田:企画から撮影、編集まで全てが人的に行われていたからです。『1ROLL』は撮影以外の行程をアプリで補完することで大幅なコスト削減を実現しました。今までプロのディレクターによって行われていた企画の部分は、動画の目的に合わせた1000種類超のテンプレートに置き換えています。鮫島:テンプレートには撮影するカットごとに詳しい撮り方まで表示されるため、撮影者は構図に悩むことなくスムーズに撮影を進められますね。10分足らずで音楽やエフェクトのかかったクオリティの高い動画が完成するのはこれまでの動画制作の世界では考えられなかったことです。
■特許戦略による競合優位性
石田:当社のコア技術である既定の秒数で自動的に動画の撮影が止まる映像処理技術によって、撮影者に複雑なスキルを要求しない点が『1ROLL』の強みです。鮫島:自分で動画を撮ろうとすると間延びしてしまったり、撮影を止めるために手ブレしてしまったりとなかなか上手くいきませんでしたが決められた秒数で撮影が止まることで、撮影した動画素材をカットする必要もありません。
石田:編集が不要になったことで制作時間の短縮にも繋がっています。私たちはこの独自の映像処理技術で特許を取得しており、動画編集アプリを開発している競合他社は未だいずれもこの技術を実現できていません。鮫島:特許戦略が効いているんですね。しかし参入障壁が低いため今後大手が参入してくる可能性もあるので、今のうちに対策を考えなければなりません。優位性のあるうちに自社のブランディングや認知度向上を進めるべきだと思います。今の環境だと、動画の視聴者はこの動画が『1ROLL』で作られたことを認識できないのではないでしょうか。
石田:作成された動画の最後に『1ROLL』や自社のロゴを表示するなど、動画の視聴者に対するアプローチを強化していきます。■ビッグデータを活用してBtoC領域進出を目指す
鮫島:撮影した動画素材は顧客の著作物ですが、貴社独自のテンプレートに基づいた編集が施されています。この場合完成した動画は共同著作物になりますが、貴社は規約によって完成した動画の著作権は顧客が持つと定めています。これでは顧客側で勝手に動画を配信できてしまいませんか。
石田:YouTubeなどの動画サイトを使って配信することも可能ですが、顧客には『1ROLL』のプレーヤーでの配信を促しています。『1ROLL』専用の動画プレーヤーによる配信にはSEO効果があり動画サイトに掲載するよりも検索で上位にヒットするため、より高い集客・宣伝効果が見込めるからです。鮫島:『1ROLL』のプレーヤー経由での動画配信を通して、貴社は視聴者がどこで離脱したのか、どこで購買に至ったのかといった広告効果のデータを集めることができます。Googleが検索エンジンや地図アプリなどを無料で提供し、集積したビッグデータを広告ビジネスに活用しているように、ユーザーの傾向や指向の集まったデータを新しいビジネスに活用できないでしょうか。
石田:創業当時からの目標だったBtoC領域において、動画のビッグデータをストック型で活用するビジネスを構想中です。動画を中心にしたプラットフォームを立ち上げることで集積したデータを活用できるのではないかと考えています。鮫島:ただし動画には必ず著作権の問題が関わるので、利用規約などの細かな整備が必要です。
石田:ある程度は無料でサービスを提供しなければならないので、かなりの先行資金が必要になります。現在のBtoB領域を拡大して売り上げを立てつつ資金調達も検討していきます。
鮫島:新規事業でビジネスモデル特許を取得すれば競合他社との差別化になり、優位に立ち回れると思います。ビジネスの場だけでなく、広く世の中に『1ROLL』の動画が広がっていく未来に期待したいです。
(2018.6.19)
―「THE INDEPENDENTS」2018年8月号 P23-24より
株式会社フレイ・スリー
- 住所
- 東京都品川区東五反田5-22-33 TK池田山2F
- 代表者
- 代表取締役 石田 貢
- 設立
- 2012年8月1日
- 資本金
- 30,733千円
- 従業員数
- 5名
- 事業内容
- 動画ソリューション、インターネット広告
- URL
- http://hurray3.com/
- 情報更新日
- 2023年5月26日
※上記は、情報更新日時点での情報です。