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「「スマホ一つで簡単に販促動画が作成できるアプリ『ワンロール (1 ROLL)」」

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【石田 貢 略歴】
1977年金沢市生まれ。(株)フレイ・スリー代表取締役CEO。デジタル広告黎明期にキャリアをスタートし、大手企業サイトを多数立ち上げた後、ピラミッドフィルムグループにて映像・3DCGを活用したブランディング、デジタル広告キャンペーンのクリエイティブを展開。国内外の広告賞を多数受賞し、2012年にフレイ・スリーを設立。スマートデバイスとソーシャル領域を中心に、クリエイティブバックボーンを生かしたデジタル広告ソリューション、サービスの企画開発を行っている。

【㈱フレイ・スリー 概要】
設 立:2012年8月1日
資本金:30,733千円
主要株主:石田貢、VC取引先 他
所在地:東京都港区芝五丁目29番20号
事業内容:動画ソリューション事業、インターネット広告事業


<起業家インタビュー>

(株)フレイ・スリー 石田 貢 氏

「スマホ一つで簡単に販促動画が作成できるアプリ『ワンロール (1 ROLL)』」


ネット動画コンテンツのプラットフォーム化を目指して
映像制作会社から独立した起業家

■野球の名門である星稜高校のご出身ですね。

松井秀喜選手とは担任の先生が同じでした。私も中学生までは野球をやっていましたが、あれだけ偉大な先輩がいると、早々に違うスキルを身につけようと思いました。東京の大学に進学し、就職してからは帰省する機会が減りましたが、北陸新幹線の開通以降、金沢の街が綺麗になっていて驚きます。

■昨年親会社の映像制作会社から独立されました。

世界では2018年にネット広告費がテレビ広告費を上回ると予測されており、日本でも大きな転換期を迎えています。当初はホームページの制作会社に勤めていましたが、これから必要になる映像広告に挑戦したいという想いで、2004年にテレビCM制作会社(株)ピラミッドフィルムに入社しました。成長性のあるネット広告の領域へチャレンジするために子会社で新規事業を始めました。親会社とはビジネスモデルが大きく異なっていたこともあり、顧客を獲得して事業が軌道に乗ってきたことを受け、昨年独立しました。

■動画作成アプリ『ワンロール(1 ROLL)』の特徴を教えてください。

このアプリでは、プロの監修した800種類のテンプレートに沿ってスマートフォンで動画を撮影するだけで動画が自動的に編集されます。3ステップで動画が作成できるので、アルバイトスタッフにも簡単に作ることができます。各ユーザーが制作した動画はクラウドで一元管理でき、Facebook、YouTube、動画プレイヤーでの配信に対応しています。配信後は視聴回数、視聴完了率、視聴ランキングの計測ができ、撮影者へのフィードバック改善が可能です。この映像処理装置並びに映像処理方法、プログラムは日本で特許を取得済みで、米国でも特許出願中です。

■『1 ROLL』によって、動画を導入する企業も増えそうですね。

テレビCMは一つの作品に沢山の予算や人員を割いて作られますが、インターネットの広告では一人一人に最適化された動画のバリエーションを増やすことが重要視されます。今までは、動画一本当たりの制作コストが高いことから企業が積極的に動画広告を活用することができませんでしたが、このアプリを活用すれば、動画一本当たりの制作費用を百円単位にまで下げることもできます。

■実際にどのような導入事例がありますか。

ECサイトでの商品説明、転職サイトの人材紹介、不動産の物件紹介などにご利用いただいています。例えば物件紹介の場合には、収納家具の仕様のデモンストレーションや物件の周辺環境など、写真では伝えきれなかった情報を10秒から2分まで様々な長さの動画を用いて伝えています。

■「@cosme(アットコスメ)」を見ると、商品ページに約10秒の商品説明動画が掲載されていますね。

美容・コスメの総合サイト「@cosme」では、『1 ROLL』を使ってアルバイトスタッフが10分に1本のペースで動画作成を行っています。動画だと化粧品の質感や色合いがよくわかり、売り上げアップに繋がっています。

■本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に今後の事業展開について教えてください。

これまでは販促活動の支援が中心でしたが、動画広告の効果検証やコンサルティング業務も始めお客様の集客効果を上げていきたいと思います。将来的には創業当時から関心のあったBtoC、CtoC領域へと事業を広げていきたいです。『1 ROLL』で制作された動画がSNSで大きなブームになることを期待したいです。

※「THE INDEPENDENTS」2018年5月号 - p4-5より