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「APIエコノミー 勝ち組企業が取り組むAPIファースト」

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AOSテクノロジーズ(株)
代表取締役社長 佐々木 隆仁 氏
1965年5月20日生まれ。都立井草高校卒業。
1989年早稲田大学理工学部卒業。
1989年富士通に入社後、OSの開発に従事。
1995年社内ベンチャー公募制度を用い、株式会社アルファ・オメガソフト(現・AOSテクノロジーズ)を設立。代表取締役就任。
2013年AOSリーガルテック株式会社を設立、代表取締役に就任。

【(AOSテクノロジーズ(株) 概要】
設 立 :1995年3月31日
資本金 :480,000千円
所在地 :東京都港区虎ノ門5-1-5 虎ノ門45MT森ビル5F
事業内容:ソフトウェア開発販売(データ復旧/バックアップソフト他)
子会社 :AOSリーガルテック株式会社(リーガルテクノロジーサービス)
URL :http://aostech.co.jp/

(株)キャピタル・アセット・プランニング
代表取締役 北山 雅一 氏
1957年生まれ、大阪府出身。清風南海高校卒。79年慶応大学商学部卒。 公認会計士として中央監査法人(現・あずさ監査法人)に勤務。90年にキャピタル・アセット・プランニング設立、代表取締役に就任。生保、金融機関向けの営業支援システムで独自のポジションを築いている。 2016年10月、東証JASDAQ市場上場(証券コード:3965)

【(株)キャピタル・アセット・プランニング 概要】
設 立 :1990年4月16日
資本金 :153,240千円
所在地 :大阪府大阪市北区堂島2-4-27新藤田ビル7F
事業内容:金融フロントエンドに豊富な実績と経験を有するブティック型システムインテグレーター
URL :http://www.cap-net.co.jp/


【特別対談】AOSグループ×(株)キャピタル・アセット・プランニング

「APIエコノミー 勝ち組企業が取り組むAPIファースト」


北山社長へのインタビュー

(インタビューアー AOSグループ代表 佐々木隆仁 氏)


佐々木:御社のAPI(Application Programming Interface)の取り組みについて教えてください。

北山:相続税計算のAPIや、平均標準報酬月額を計算するAPIなどを出しています。このAPIを使うと今後の給与がどうなるのかを予想できます。業種別、会社別の厚生労働省の給与体系のデータ(賃金センサス)があるので、それを元に算出しています。例えば、30歳、勤続7年と入力すると給与額が出てくる。それをつないでいくと生涯賃金カーブが出てくる。それで平均標準報酬月額が計算できるようになります。弊社は、長年の開発作業の蓄積で、無数のプログラムライブラリがあるので、どんどん、自社ライブラリのAPI化をやろうとしています。

佐々木:このAPIはどういうことに使うのですか?

北山:例えば、自動家計簿でパーソナライズされたデータに基づいてライフプランの設計ができるようになります。人生100歳プランと言われていますが、このままでは、83歳で資金枯渇してしまうということが予測できるようになると、では、どうすればいいのか? こういうことの具体的なアドバイスが必要になります。実際にスマホのアプリで、毎日の通勤電車の中で、自分の資金が枯渇してしまうという予測をみて、どうすればいいのか? パーソナライズされた現実のプランに基づいたライフプランが必要になります。一般的には、60歳で退職するのが、資金的には、一番、最悪のパターンになることが多いのです。
この状況を打開するために、例えば、転職するという手もあるし、起業するという手もあります。副業を始めて、マルチステージの人生を歩むことが必要と予想されます。

佐々木:それらのことがAPIを活用して予測できるようになるのは大変、面白いですね。しかし、その後のライフプランまでアドバイスするとなると、1社でそのプランを提供するというのは難しいのではないでしょうか?

北山:それで、OPEN APIで各社の色々なAPIと組み合わせることで、様々なバリエーションを作ることができるようになります。人生100年で、最後の20年は、悲惨だったという老後とならないようにするにはどうすればいいのか? 先輩の公認会計士で専門学校の学院長が今、75歳ですが、あと25年教鞭を取ると言っています。臨終退職が理想と言っておられました。しかし、本当にそれを実現しようとすると、健康のAPIなども必要となってきます。
ライフプランを考えると生まれてから死ぬまでの全てが網羅されるようになります。ライフプランでゆりかごから墓場までのシミュレーションを行います。それに対応できるサービスを1社ですべて提供することはできないのですが、様々なAPIと組み合わせていけば、非常に多岐に渡ったライフプランのアドバイスができるようになります。現在のライフプランだと、極端なことを言うと、残された家族にとって、その人が早く死んだときに、一番良かったねとなってしまう。やっぱり万が一に備えて、保険に入って準備しておいて良かったとなりますが、保険に加入する本人にとっては、生きている間にどれだけ夢が実現ができるかがもっも大事な課題となります。人生100年時代にそれを実現するためのOPEN API戦略なのです。

佐々木:私もよく生命保険の勧誘を受けましたが、大手の生命保険会社の提案には、あまり、新規性がなく、魅力も少ないと感じていますが、OPEN API戦略でこれがどう変わることを期待していますか?

北山:生命保険のパンフレットを見ると、親父が死んで、その保険金で長男が夢だったお店をオープンするというストーリが掲載されたりしますが、亡くなった本人にとっては不幸なストーリーです。もっと、パーソナライズした形でやりましょうというのがこれからのライフプランです。様々な選択肢を選びならが、どれだけのライフプランがあるのかを見ながら、自分の人生を設計していくことが大事になってきます。
政府は、70歳まで公的年金を遅らせようとしていますが、実際に働いてる現役の人と比べて、70歳まで働き続け勝ち残るためのノウハウがその人にあるのでしょうか? 世界と比較すると日本はアメリカ、ヨーロッパに比べて、保険に入りすぎている状況で。中産階級から見ると、リスクが小さい国が日本です。その日本の仕組みも理解しながら、ライフプランで楽しい現世浄土を考える。OPEN APIで全ての会社と繋がることで、それを実現してきたいと考えています。

佐々木:キャピタル・アセット・プランニングのミッションは何ですか?

北山:キャピタル・アセット・プランニングの證券コードは、3965ですが、キャッチコピーは、サンキュー老後です。フィンテックで豊かな老後を創造していくことがミッションです。実際にアメリカの場合は、60歳以降の人生を楽しむための様々な雑誌なども出版されていますが、日本では、まだまだだと日々、感じていますので、豊かな老後、golden generationを創造していくことが求められています。

佐々木:他社とのAPI連携の具体的な話をもう少し、聞かせてもらえますか?

北山:実際に銀行や新興のフィンテック企業と組んでオープンAPIのビジネスを推進しています。プライベートバンキングのいいものが日本にはあまりないので足りない部分は、AIで補って、実現しようとしています。AIでコンサルを行うためには、情報が必要なので、銀行や生保からAPIで必要な情報をもらいます。やがて、コンサルの仕事はAIに置き換わっていくでしょう。コーチング、カウンセリングが人の役割となります。それを実現するために、API連携が必要なのです。


※「THE INDEPENDENTS」2018年4月号 - p24-25より