「ガス用機密試験・漏洩検査機器『セーバープロ』」

「世界初の温度補正技術により漏洩検出精度を高めます」

■事業紹介
当社が独自に開発した温度補正機能付ガス漏洩検査機『セーバープロ』は日本ＬＰガス機器検査協会の認定を受け、法定検査等に使用され普及率が拡大中です。2008年7月には東京ガスにて正式採用され、全国の都市ガス事業所への販売を行っています。その技術を応用して、LP・都市ガス用試験装置の大容量化、自動車分野のマフラー等の自動車部品の気密試験装置の開発を進めています。今後は給湯器等のガス機器製造分野の気密試験装置エアリークテスターを開発・事業化していきます。

■技術紹介
圧力は温度に影響されるため、正確な圧力計測には温度補正が必要です。温度が１℃変われば圧力は0.36kPa変わります。当社は独自開発した温度補正の特許技術を元に、加圧して漏れを調べるための計測器開発に成功しました。2005年4月には「特許庁長官表彰」受賞など、各方面より高い技術評価をいただいております。

■製品紹介
(1)セーバープロ
自動的に温度補正を行い、ガス漏洩の有無を判定する検査機器『セーバープロ』は周囲環境温度の変化による誤判定を防止します。夕方・夜間の温度が低下する状況でも検査が可能で、午前・午後の温度上昇でも漏れを見落とす心配がありません。計測データはパソコンで管理、保管・整理も簡単です。

(2)産業用エアリークテスター
当社で培ってきた温度補正技術により、リーク試験中のワークの温度変化による誤判定を防ぎます。過渡応答対策機能、遠隔サポート機能を充実させ、産業用への普及を目指しています。

(3)ガス回収システム
集合住宅等、大規模ガス供給基盤として約24万基のバルク貯槽が設置されていますが、点検・修理には貯槽内のガスを回収することが必要となります。2007年から経済産業省・原子力安全保安院より、安全かつ効率的な残ガス回収システムとして開発委託を受け、2010年からはＮＥＤＯ事業として実用開発を進めています。このガス回収システムは、車両に搭載したタンクに吸着材（活性炭）を充てんし、タンクを真空にしてバルク貯槽からLPガスを回収する装置です。この吸着材を利用してバルク貯槽内にあるLPガスを安全で効率的に回収します。

■知的財産
温度補正のアルゴリズムによる圧力試験装置にて基本特許を2003年に取得しました。2004年には国際特許を8カ国出願しています。これに関連して周辺特許を2件権利化。ガス漏洩検査機は「セーバープロ」で2005年に商標登録しました。経産省委託事業による「LPG再生装置」を2012年に権利化、エアリークテスターで「圧力計測方法及び装置」を2010年に特許出願いたしました。

※全文は「THE INDEPENDENTS」2013年4月号 - p8にてご覧いただけます