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「2017年IPO賞 講演 「株式公開を果たして」」

公開

【藪ノ 賢次 略歴】
1980年和歌山県日高郡生まれ。1999年三国丘高校卒業。2004年大阪府立大学工学部卒業後、翌年友人と通信端末の販売会社を起業。2007年社内事業だったクックビズ事業を別会社として独立。代表取締役社長就任。

【クックビズ㈱ 概要】
設 立:2007年12月
所在地:大阪府大阪市北区芝田2-7-18
事業内容:フード関連業に特化した有料職業紹介事業・求人サイト運営事業・研修事業


<講演レポート>

クックビズ(株) 藪ノ 賢次 氏


 インデペンデンツクラブとは、5年くらいのお付き合いになります。当社社外取締役の吉崎浩一郎さん(元・クールジャパン機構 取締役最高投資責任者)とも、インデペンデンツクラブで講演をしたときに出会いました。そうした昔の思い出がインデペンデンツクラブと共に歩んできたと感じています。なので、今日私達が経験してきたことを共有させてもらい、インデペンデンツクラブの目標である「公開会社を一社でも多く」に寄与できればと思っています。

■事業概要

 まず、事業概要を簡単にお伝えすると、飲食業界に特化した人材紹介事業、求人広告事業を展開しています。人やネットを介してマッチングをし、収益を得る。これが主なビジネスモデルです。飲食業界は人手不足が深刻ですが、利益率が低いため、この業界に特化する企業は少ないです。そこを私達が開拓しました。なので、私達の10年の歩みが飲食特化型人材サービスの10年間の歩みでもあると自負しています。

   メインの事業は、人材紹介というアナログのエージェントサービスです。他には、大手求人広告サービスのようなネット広告事業を業界特化型で行っています。これは5年ほど前に新規事業としてスタートしたものですが、2つ目の事業の柱として育ってきています。

■なぜIPOをしたのか

 なぜIPOをしたのかとよく聞かれますが、人材サービスというのは知名度が非常に重要です。知名度がそのまま売上になるので、IPOとは非常に相性が良いと思いました。

 もう一つは「フード産業を人気にする」というビジョンがあったからです。このビジョンは非常に壮大なテーマなので、中長期的に会社を経営していく必要があります。長期間、安定的に会社を成長していくためには、株式市場などが有効に活用できると思い、ビジョン実現のためにはIPOは必須だと考えていました。上場日である2017年11月28日、セレモニーにてスタッフも一緒に打鐘を行いました。本当に感慨深く、一生で一番楽しい日となりました。

■なぜIPOができたのか

 よく、経営資源(人、モノ、カネ)といいますが、そこに尽きると思います。上場というのは、やりたいからできるものではありませんが、マザーズという世界的にも恵まれた株式市場があることで目指す理由のひとつになりました。しかし、上場の準備をしていく中で、ある程度経営資源が集まらないと上場は難しいと感じました。あとは、景気の回復や外食産業の拡大などが、タイミングが非常に良かったこともあります。

■今後の展開

 これからは拡大をしていく時期です。社員数を増やすことにより、収益も増えていくと考えています。Foodion(フージョン)というシェフや料理人が登録して、自分の作った料理をタイムライン上に上げていくというサービスを展開しているのですが、将来的には個人の参加もできるような仕組みも作っていこうと考えています。グルメな人とシェフをつないでいくなど、新しいサービスを提案していきたいと思っています。

※「THE INDEPENDENTS」2018年2月号 - p16より