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「2017年IPO賞 講演」

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【來山 哲二 略歴】
1948年5月21日富山生まれ。1970年テラルキョクトウ(福山市)入社。1979年五大産業入社。1989年当社設立、代表取締役社長(現任)。2005年三和テスコ代表取締役社長(現任)。2009年東洋精機産業代表取締役社長(現任)。2014年アムノス代表取締役社長。

【ポエック㈱ 概要】
設 立:1989年1月25日
所在地:広島県福山市南蔵王町2-1-12
事業内容:ポンプ、送風機、空調機、工場設備機器の製造・販売


<講演レポート>

ポエック(株) 來山 哲二 氏


■ 事業概要

 3年前、インデペンデンツクラブが初めて福山でイベントを開催した時に講演しました。それ以来のお付き合いです。福山で上場した企業は11年ぶりになります。

 当社は3つの柱で構成されています。①メーカーとして、自社開発の新たしい環境・防災機器の製造・販売②商社として、ポンプや送風機など産業を支える基盤の最適なマッチング③技術サポートやメンテナンスの充実。この3つを柱に、他社にはない技術の必要性を感じ、オンリーワンの商品の開発に努めてきました。

 そんな中、開発したのが「ナイアス」です。災害時に電気や水道が止まっても送水する消化器の開発に成功し、特許も取得しました。2003年には全国ニュービジネス大賞優秀賞を受賞しました。コストと品質の両面を維持し、より飛躍するためにM&Aを行いました。これはニュービジネス大賞受賞の際のスピーチをきっかけに行えたことです。やはり人のつながりというのは重要です。現在は全国に11の拠点と12つの子会社をもっています。開発から販売・製造までを一貫して行い、常に先を見据え、水と空気をテーマに住みよい社会と環境を持続できるビジネスで業績を伸ばしてきました。

■経営する上で大切にしたこと

 実は上場する前は借金が50億円もありましたが、チャレンジ精神と自社製品に対する自信は持っていました。じっくり考えすぎてやると何事もうまくいかないと思っていた為、思いついたことはすぐ行動に移していきました。

   また、人を大切にしました。人が大勢集まっても、専門学校を出ていても、優れた技術を持つ人は少ない。そう感じるため、人は大切にしたほうが良いと思います。

■今後の展開

 当社は42歳のときに今の副社長と脱サラをして二人で始め、今年で起業30年目になります。コアの技術をベースに、安定性と成長性を兼ね備えた盤石な企業を目指しています。

 実は2年前にサウナで倒れました。意識不明の状態が15日間続き、家族は医者から助かっても植物人間になると言われました。しかし、それから3日後に意識が回復しました。80日間の入院生活を送り、今に至ります。

 商売だけが人生ではないと思います。会社を成長させたいと思いますが、人様に喜んでもらえるようなことをしたいとも思っています。

※「THE INDEPENDENTS」2018年2月号 - p14より