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「歯科衛生士・介護職に特化した人材紹介サービス『ファーストナビ』」

公開

【宮副 俊彦 略歴】
1979年生まれ。早稲田大学高等学院出身。2001年3月早稲田大学卒業。2001年4月(株)ゴールドクレスト入社。2004年9月(株)エス・エム・エス入社。2014年4月(株)ファーストコネクト創業。

【㈱ファーストコネクト 概要】
設 立:2014年4月3日
資本金:10,000千円
主要株主:経営陣
所在地:北海道札幌市中央区北1条西5-2 札幌興銀ビル8F
事業内容:歯科・介護・医療業界に特化した人材紹介事業、歯科医院向け集患サービス事業

<起業家インタビュー>

(株)ファーストコネクト 宮副 俊彦 氏

「歯科衛生士・介護職に特化した人材紹介サービス『ファーストナビ』」


遠隔×特化型の人材紹介サービスを札幌で展開するベンチャー企業
競合に先駆けて事業の規模化を図り、ニッチトップを目指す起業家

■ 縁もゆかりもない札幌に移住して事業を始めました。

人材紹介事業は、費用のうち4割が人件費といわれています。一方で、商圏は日本全国ですから、当社社員の採用マーケットと本社をコスト高の東京に置くのは競争面で明らかに不利と考えました。人材紹介は遠隔オペレーションが可能なビジネスであることから、東京から離れた遠隔地で物価や採用競争力を築きやすい札幌を事業の拠点にしました。

■歯科・介護・医療業界に特化した人材紹介サービス『ファーストナビ』を運営しています。

歯科・介護・医療業界は成長マーケットであるにもかかわらず、労働集約的な事業形態であるため慢性的な従事者不足になっています。求人マーケットのニーズは高いことから、2014年6月より『ファーストナビ歯科衛生士』を開始しました。2016年5月より『ファーストナビ介護』、2017年8月よりリハビリ職特化型人材紹介サービス『ファーストナビPT・OT・ST』もおこなっています。飲食業界に特化した求人サービスを運営するクックビズのような特化型人材紹介を強みとしています。

■従来型の人材紹介とは異なったビジネスモデルですね。

一般的な人材紹介事業は求職者をオフィスに呼び面談し直接訪問による顧客開拓をおこなっていますが、歯科業界は直接訪問を積極的に求めない顧客が多いため、当社は求職者をネットで集客し電話やLINEで面談する非対面方式をとっています。歯科業界の人材紹介サービスではトップシェアの実績を保有しております。

■歯科医院向けに患者を集めるサービス『プロレコ歯医者』も展開されています。

口コミサイトを運営して、歯科医を探しているエンドユーザーを集めて、特定の歯科医院に来院を促す広告モデルです。当社は歯科衛生士や歯科医師の情報を大量に扱っていますし、毎日のように歯科衛生士と対話している強みを活かして集患サービスを始めました。

■早稲田大学仏文科出身者の起業は少ないと思います。会社設立の経緯を教えてください。

当時は就職氷河期で就活に大変苦労しました。仏文出身ということで法学部や商学部に対するコンプレックスもありました。そこでベンチャーに入って一旗揚げようと思い、マンションの分譲・開発をおこなう(株)ゴールドクレストに入社しました。2004年から10年間は看護師人材紹介最大手の(株)エス・エム・エス(SMS)におりました。SMSが創業2期目の時に入社し、マザーズ上場、東証一部上場まで経験しました。約10年間の勤務で、資格スクールの資料請求サイト運営、WEBマーケティング、薬剤師人材紹介事業、社員育成などの部門責任者を経験しましたが、いつしか志や価値観を共にできる人たちと一緒に仕事がしたいと思うようになりました。そこで2014年にSMSの元マネージャー陣と当社を創業しました。

■確実に勝てる市場に確実に勝てるやり方で参入したんですね。

歯科衛生士を創業時のターゲットにしたのは、歯科のマーケットはニッチなので、前職で得た特定の職種(看護師)で転職に関心がある属性の人を大量に集めるマーケティングノウハウを使えば勝てると判断したからです。最初から完全遠隔を前提としたオペレーション組織設計をおこなったうえで、コスト面で優位な場所からサービスを提供することで圧倒的な優位になると考えました。SMSで得た看護師紹介のノウハウも事業の大きなバックボーンになっています。

■本日はどうもありがとうございました。最後に今後の事業展開について教えてください。

今後は、慢性的な人手不足でありながらまだ明確な業界リーダーが存在していない介護人材紹介事業に注力し、早めにシェアを押さえることでプレゼンスを得たいと考えています。また、より単価の高い商材(医師・薬剤師・看護師等)に参入していくことで収益性をあげていく選択肢もあると考えています。無理な多角化はしない上で、一つの事業に依存しずぎないように各事業のバランスをとって事業を伸ばしていきます。

※「THE INDEPENDENTS」2018年2月号 - p4-5より