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「日本ベンチャー学会20年史」

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【國本 行彦】
1960年8月21日生。
東京都立志村高校卒業。
1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。
2006年1月5日(株)インディペンデンツ(現(株)Kips)設立、代表取締役就任。
2015年11月9日 特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ 代表理事就任(現専務理事)

 九州大学伊都キャンパスにおいて日本ベンチャー学会(会長 西澤昭夫、東洋大学教授)の第20回全国大会が12月2・3日に開催されました。今回は「テクノロジー・スタートアップと地域エコ・システム」を統一テーマに、日本で最も熱心にスタートアップ支援に取り組んでいる福岡市、有機EL発光の新材料を開発する九大発ベンチャー㈱Kyulux社の海外展開と資金調達についてのプレゼンがありました。第四次産業革命の進展を支える技術系ベンチャーが全国の大学から誕生しており、地域エコ・システムのグローバル対応という課題も提起されています。

 1997年11月に設立された日本ベンチャー学会(初代会長 清成忠男)は、ベンチャービジネスの意義を社会に発信する事などを設立目的に掲げ、大学研究者だけではなく企業、金融機関、行政等幅広い関係者が参加によって会員数は974名(2017年9月)になります。ベンチャーに関するセミナー・シンポジウムの開催の他、表彰制度や政策提言も行っています。

 第2次産業革命時代を支えた「ものづくり輸出国家・日本」から「ビジネスモデル輸出国家・日本」(松田修一)を支えるのは「新しい創業者の時代」です。日本ベンチャー大賞は、1回目がユーグレナ、2回目がペプチドリーム、3回目はサイバーダインと大学発ベンチャーの躍進が目立ちます。大学自体も「リサーチユニバーシティ」から「アントレプレナーユニバーシティ」への転換に期待が集まります。


※「THE INDEPENDENTS」2018年1月号 - p2より