「デジタルサイネージで情報の「見える化」を目指す」
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【福永 泰男 略歴】
1974年、石川県生まれ。1993年金沢高校卒業後、上新電機子会社の三共ジョーシンに入社。1998年、サイバーステーションの前身のドリームワークスを創業。2000年、サイバーステーションを設立、代表取締役に就任。
【サイバーステーション㈱ 概要】
設 立:2000年5月11日(創業1998年10月)
資本金:80,000千円
主要株主:福永泰男、アイ・オー・データ機器、大塚商会
所在地:石川県金沢市鞍月四丁目187番地
事業内容:デジタルサイネージ事業、IDC事業
<起業家インタビュー>
サイバーステーション㈱ 福永 泰男 氏
「デジタルサイネージで情報の「見える化」を目指す」
金融機関の店頭ディスプレイから製造業現場の情報共有まで
サイネージを核に情報プラットフォームの構築を目指す起業家。
■ 製造業の現場で利用されるデジタルサイネージが伸びていますね。
工場内にはスマホは持ち込めず、もちろんパソコンも使えません。情報共有をどうしているかというと、壁にベタベタと注意喚起のポスターが貼ってあるだけです。これでは従業員のモチベーションもあがりません。パソコンがない環境の職場に社内コミュニケーションツールとしてデジタルサイネージを導入することで、共有すべき情報を「見える化」することができ、生産性も向上すると思います。■ 金融機関でのシェアが高いですね。
もともとは金融機関向けからスタートしました。きっかけは地元の北國銀行への導入です。金融機関は金利情報表示や振込詐欺を注意喚起するよう行政から指導されています。しかし、店舗毎の管理は大変でした。弊社のクラウド配信サービスを使えば、本店で集中管理できますので、全国の拠点に情報を一斉配信できます。おかげさまで今では地方銀行をはじめ信金・信組を中心に全国の金融機関にご導入いただいております。■ オフィス向けも得意です。
7年前にソフトバンクC&S溝口社長から面白いソリューションはないかと言われ、「デジタルサイネージを使った従業員向けの情報発信」を提案したところ、汐留オフィスの全フロアに社内報システムとしてご導入いただきました。大手自動車メーカーや、製造メーカーなどの工場にも採用され、近年は一般企業のオフィスや工場への導入が急速に進んでいます。■ 起業のきっかけを教えてください。
1993年に高校卒業後、上新電機子会社の三共ジョーシンに就職しました。パソコン専門店の法人営業担当として、トップクラスの販売実績をあげていましたが、インターネットが普及しはじめた1990年代後半、「だれでも簡単にインターネットを使えるようにしたい」という思いから起業しました。■ もともとはソフトウェア開発会社でした。
2000年の設立以降、ソフトウェア受託開発で業績を伸ばしてきましたが、東京を訪れた際に渋谷のスクランブル交差点やドーム球場のバックスクリーンに映し出される広告を見て、次の事業の柱として電子看板の事業化を考えるようになりました。■ 早くから商標登録や特許取得など知財獲得に熱心でした。
IT系の会社で知財を押さえている会社は多くはありませんが、市場が拡大したときに必ず必要になってくると思います。特許を持っているかいないかで、金融機関への印象も変わってきます。■ アイ・オー・データ機器と資本提携しています。
2004年、北陸ベンチャー界の祖といわれるアイ・オー・データ機器の細野社長と知り合い、いろいろとアドバイスをいただきながら、簡単な情報入力で電子看板を作れる製品の開発を共同で進め、2009年にデジタルサイネージサービス「デジサイン」をリリースしました。アイ・オー・データ機器からは2006年に出資もしていただきました。■ 本日はどうもありがとうございました。最後にこれからの事業展開について教えてください。
企業内に眠っているデータを手軽に「見える化」して情報発信できるようなプラットフォームを作りたいと考えています。そのための資金調達も考えていますが、銀行の借り入れやVCからではなく、事業会社との資本提携をメインに進めていきます。将来的には上場も目指したいですが、今はサービスを充実させる時期だと考えています。金融機関等のオフィスや工場向けにはソリューションの質の向上、販売パートナー向けには設置サービス付きのパッケージを提供していきます。また、amazonなどの流通サイトを活用しながら直販も進めていき、売上拡大を目指していきます。※「THE INDEPENDENTS」2017年5月号 - p4-5より