「カドミウムテルライド(CdTe)センサ開発事業」
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株式会社ANSeeN
代表取締役 小池 昭史さん
1984年生まれ
2007年静岡大学情報学部情報科学科卒業
2009年同大学院情報学研究科情報学専攻卒業
2009年同大学創造科学技術大学院ナノビジョン工学専攻入学
2009年静岡大学 学術研究員
2011年株式会社ANSeeN 取締役
2012年株式会社ANSeeN 代表取締役
所在地:静岡県浜松市中区城北3-5-1 静岡大学イノベーション社会連携推進機構内
設立:2011年4月 資本金:10,000千円 CTO:青木 徹(静岡大学電子工学研究所 准教授)
事業内容:カドミウムテルライド(CdTe)半導体検出器の設計・開発・販売
http://www.anseen.com/
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―静岡大学発の放射線検出器ベンチャー当社は静岡大学電子工学研究所の青木徹准教授による、カドミウムテルライド(CdTe)半導体検出器の研究成果およびノウハウをベースに設立された静岡大学発ベンチャー企業です。主に医用CT検査装置や工業用非破壊検査装置に使われるX線・放射線の検出センサを設計開発しています。
―カラーイメージングが可能なCdTeセンサ
CdTeセンサは、従来のシリコンタイプのセンサと比較して、画像コントラストや感度(吸収効率)、素子の安定性に優れており、次世代検出器として注目されています。また、その特性に当社の独自フォトンカウンティング技術等を組み合わせることで、X線・放射線のカラーイメージングが実現でき、がん細胞の良性/悪性や特定物質の含有無など、これまで判別できなかったものも判別可能になります。
―CdTe素子の自社製造・販売
CdTe素子を供給できる企業は世界でもアクロラド(沖縄市)1社しかなく、非常に高価で需要超過の状況です。当社では、青木先生が特許保有する「pin型CdTe素子製造」の技術を用い、より良い性能かつローコストなCdTe素子の自社製造を計画しています。既に、大学―企業間の共同研究にて、数千枚製造し、歩留まり8割と安定性の検証もできています。まずは当社が開発する線量計やアプリケーションに搭載して有効性を知ってもらい、大きく資金調達ができれば製造装置へ本格的に投資をし、素子自体を販売していきたいと考えています。
―今後の展望
CdTeを使用したX線カラーイメージングは今後様々な応用分野が期待されており、その素子製造を担うことで、事業拡大が見込めます。ただ、デバイス開発は放射線物理学やデバイス工学など広い領域の知識が必要とされ、あまり進んでいないのが現状です。当社では、大学発ベンチャーとしての出自を生かして他の研究室との連携を進め、誰もが手軽に使うことができるモジュールを開発することによって、CdTeと市場をつないでいきたいと考えています。
※全文は「THE INDEPENDENTS」2012年10月号 - p12にてご覧いただけます