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「ベンチャー投資20年」

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【國本 行彦】
1960年8月21日生。東京都立志村高校卒業。
1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。
2006年1月5日(株)インディペンデンツ(現(株)Kips)設立、代表取締役就任。
2015年11月9日 特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ 代表理事就任


20年前の大阪はベンチャー暁の時代でした。

1997年に投資のご縁があったキャピタル・アセット・プラニング社が今年10月7日に上場しました。当時から開発していた金融リテールシステムが今はFinTech銘柄としてIPO市場から高く評価され、初値は公募株価の2.3倍になりました

同時期に大阪でベンチャーキャピタル(VC)から投資を受けていたシルバーエッグ・テクノロジー社も9月27日に上場、初値倍率は2.9倍でした。当時はレコメンデーションエンジンと言われていた技術がAIとして高く評価されています。

VCファンドの満期は10年ですから、IPO時には20年前に投資したVCはほとんど引き上げています。VCは5年以内に投資10倍以上のパフォーマンスを狙いますが、公募株を入手した投資家はたった1日で2倍以上のキャピタルゲインで

昔は会社設立からIPOまで平均28年と言われてました。最近は設立10年から15年とIPO達成までの期間は短くなっています。

北山社長は相変わらず大きなキャリーバッグに沢山の書類を詰め込んで、大阪東京間を毎週往復しています。先日お会いした時も、IPOしてほっとした感よりは仕事の話ばかりで、会食後もホテルに帰ってまた一仕事です。そういう人に投資すれば投資家は安心です。投資効率から言えばIPO株の方が良いかもしれませんが。

起業家の長い道のりを一緒に歩むベンチャー投資もあってよいかなと思います。

※「THE INDEPENDENTS」2016年11月号 - p2より