「「クラウドソーシングを活用した経理のアウトソーシングサービス」」
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【工藤 博樹 略歴】
1975年7月生まれ。カナダ、シンガポール、フランス、日本育ち。六甲学院高校出身。
2000年東京工業大学修士課程修了。
2000-08年日本IBM グローバルプロジェクトのプロジェクトマネージャー担当。
2008年INSEAD MBA取得。経営戦略事務所にて大手企業向け経営戦略をコンサルティング。
2010年Locondo.jp立ち上げる。2011年スローガン新規事業パートナー、GREEグローバルアライアンス担当。
2012年2月にリブ(株)(現メリービズ(株))設立、代表取締役就任。一般社団法人FinTech協会代表理事も務める。
【メリービズ株式会社 概要】
設 立:2011年7月4日
資本金:139,000千円(経営陣、オプトベンチャーズ、三井住友海上キャピタル)
所在地:東京都港区北青山3-12-7 秋月ビル6F
事業内容:中小企業向け経理代行サービス
<起業家インタビュー>
メリービズ株式会社 代表取締役 工藤 博樹 氏
「クラウドソーシングを活用した 経理のアウトソーシングサービス」
クラウドソーシングを活用した世界初の経理のアウトソーシングサービス。
FinTechを通じて元気な世の中創りを目指す起業家。
■ 従来からある記帳代行業務との違いは何でしょうか?
「メリービズ」は経理入力に特化したFinTechサービスです。レシート・領収書等の経理書類を封筒で送っていただければ、ユーザーの会計ソフトに合わせた経理データを1週間以内に届けます。レシート・領収書はスキャンで読み取り、当社独自の学習データによって勘定科目へと仕訳され、人手でチェック入力してお返します。マネーフォワードやfreeeなどのクラウド会計ソフトを含めほとんどの会計ソフトに対応しています。料金は月々2,980円からで、個人事業主や中小企業はもちろん、税理士事務所にも利用いただいています。■ 様々なベンチャー企業の立ち上げ支援を行っていたそうですが、この事業を開始した動機を教えて下さい。
当初は中小企業向けコンシェルジェサービスを主目的に設立したのですが、自社の経理総務業務の煩雑さに悩まされた事をヒントに、2013年に経理サービスを事業化しました。あっという間にユーザーが広がっていき2014年にはWeb管理する現在の事業モデルを完成させました。現在は、税理士事務所との提携を積極的に進めており、毎月順調に中小企業ユーザーが増えており、平均単価も5,000円以上に上がっています。■ 同業他社に対する特徴を教えてください。
私たちが重視しているのはホスピタリティです。しっかり電話でもフォローするなどアナログ的側面を大切にします。更に簿記取得者や経理経験者など質の高いスタッフが全員同時に入力業務を行えるシステムを開発しています。2名が同じ書類の入力し、システムが日付・金額・発行会社が一致するかを確認する形等で入力精度を高めています。機密情報管理についてもPマークに従った厳格な個人情報の管理以外にも、機密保持契約、本人確認を行い、高いセキュリティ体制を構築しています。最後に、高度なシステムを開発することで自動化できる範囲を増やしています。経理書類をスキャンした画像だけで仕訳まで自動できるようにしています。■ クラウドソーシングを活用した仕組みも特徴です。
現在400名以上いる仕訳スタッフは在宅勤務型のクラウドソーシングです。私どもでは全国各地にいる優秀な女性の在宅勤務を推進したいと考えています。先日、秋田銀行と提携しましたが、自治体とも共同で地方での働く場提供と地方中小企業の人手不足解消に少しでも役立ちたいと思っています。■ 既にVCから投資を受け入れています。
2014年4月のまだプロトタイプ段階でしたが三井住友海上キャピタルから出資を受けシステムをローンチしました。2015年9月にはオプトベンチャーズから出資を受け販売や事業の提携先を開拓しています。現在の経理データから労務データ、取引データへと広げると同時に資金アドバイスなどのソリューション事業に展開したいと考えています。そのための資金調達を行い、一気に事業展開を加速化させたいと思います。■ 日本でもFinTech企業に対する投資が増えています。
グローバルでは個人向けサービスから中小企業ローンまで1000社以上のFinTechスタートアップ企業があり、投資金額は223億ドル(2.3兆円)に急拡大しています。国内では投資額は増えたとはいえ未だ100億円以下の状況です。中小企業をターゲットとするクラウド会計や当社のような経理業務効率化支援や個人向にはソーシャルレンディング・クラウドファンディングなどのFS支援が進んでいますが、今後はバンキングアプリや中小企業向けレンディング業務が注目されています。■ 工藤さんはFinTech協会の代表理事でもあります。
日本はまだ金融に関する規制が多く、大手金融機関も含めてなかなか新しいサービスをつくるのが難しい環境にあります。2015年9月に発足したFinTech協会は現在60社以上のベンチャー企業と、金融機関など100社以上の事業会社が参加しています。各金融サービス事業開始要件の明確化や許認可手続きの迅速化など、関係省庁と議論しながら日本のFinTechエコシステム活性化を目的とした活動を行っています。■ 本日はありがとうごいざいました。最後に今後のビジョンについて教えて下さい。
私たちの目指す世界は「”ビジネス・インフラ”を創る」です。水道・電気・ガスという生活インフラのように、ビジネスで必須な経理・労務・法務などのインフラ提供を目指しています。海外では、事務オペレーションや経理・労務等のデータを活用したファインアンスが増えています。経理BPOからバックオフィスBPO、そしてファイナンスまでサポートしていき、日本の中小企業を元気にしたい、応援したい、と思っています。※「THE INDEPENDENTS」2016年11月号 - p4-5より