「株式会社鈴木商店、ミツフジ株式会社」
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早稲田大学
商学博士 松田 修一 氏
1943年山口県大島郡大島町(現周防大島町)生まれ。
1972年早稲田大学大学院商学研究科博士課程修了。
1973年監査法人サンワ事務所(現監査法人トーマツ)入所、パートナー。
1986年より早稲田大学に着任し、ビジネススクール教授などを歴任。日本ベンチャー学会会長、早大アントレプレヌール研究会代表世話人も務める。2012年3月教授を退官。ウエルインベストメント㈱取締役会長
特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ代表理事
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日本のM&A会社として3社目にIPOした株式会社ストライク荒井邦彦社長から、基調講演をいただきました。ベンチャー企業のベンチャー企業によるM&Aが2011年以降急増している。売上高とM&A金額との関係は、M&A側の企業評価によって変わるが、売買金額は後付けのことが多く、売却側の経営者が若いと高くなる傾向があるなど、興味深いお話でした。なお、取扱案件の60%を占める事業承継関係のM&Aで、子供・孫間の争いの事例では、株式譲渡制限が経営者にとっては防具になるが、株主にとっては凶器になるということを再確認させていただきました。事業計画発表2社は、共に先代から事業承継したファミリービジネスをニュービジネス化し、いかに成長軌道に乗せるかに挑戦している企業です。
No.695 株式会社鈴木商店(代表取締役 鈴木 弘朗 氏)
株式会社鈴木商店は、1970年に先代が自動車ドアミラー部品(螺子類)の委託業務を開始し、ネジ卸売業・貿易業務を生業として創業されました。現社長は、積水ハウス勤務後、2009年入社し、社長に就任しました。この頃クロムフリーに切り替えたネジの錆問題で市場クレームが発生し、卸業務でありながら防錆加工処理技術の開発が功を奏し、次世代表面処理「LonGood」「Good Up」を開発しました。自動車業界で培った技術とノウハウを活かし、表面処理技術で大規模補修工事領域に進出しようとしています。①長期にわたる実験データに基づくシミュレーション画像を
防錆効果を説得力のある実験データで積み重ねてきた。しかし、防錆効果を測定するには長時間を要します。短期間に受注に結びつけるには、過去の実験データをベースに、多様な環境下での、シミュレーション画像による見える化が効果的です。②大型構造物補修のための新たな開発体制を
自動車もヒエラルキー業界ですが、大型構造物等の建築・土木関係は、国や地方自治体も関係するさらに巨大なヒエラルキー組織です。業界から見ると、特定の技術が圧倒的に強くても、既にある同業者に代替するだけの効果的技術があることをまず納得していただくことが重要です。現在大学との共同研究をしていますが、同時に大型構造物補修事業者との共同研究にも耐えうる内容か否かを早期に検討することが必要です。③防錆スプレーの一般民生用販売の可能性を
現在ホームセンターでは、防錆スプレーが売られています。これまで特定用途向けの開発に注力してきましたが、売れるモノづくりのためには、同業他社との差異化が必要です。既存事業が安定している間に、開発コストを早期回収できる一般民生用向け事業など、最終消費者にも支持される製品を開発し、収益モデルの多層化を検討してみて下さい。No.696 ミツフジ株式会社(代表取締役 三寺 歩 氏)
ミツフジ株式会社は1956年創業者三寺冨士二氏が西陣帯工場として創業しました。西陣織物技術を起点に、西陣織物→レース→中折れテープへ事業を拡大しながら、電導性繊維と出会い、米国銀メッキ製造会社の日本総代理店となりました。IT企業の経験を経て2年前に経営を引き継いだ歩社長は、現在「銀メッキ導電性繊維/ウェアラブルIoT製品の開発製造販売」に挑戦し、銀メッキ導電性繊維の内製化技術で、医療用機器のグローバル成長市場へ参入し、一気に事業拡大を図ろうとしています。①ハード知財とソフト知財を組み合わせ、スマートウエアのクアルコムに
徹底したオープン連携を優位に進めるためにハード・ソフト両面からのしたたかな知財戦略を確立する。リアリティあるスマートウエア総合技術を有していますので、コンピュータのインテル、携帯端末のクアルコムのようなポジションをとり、バリューチェーンリーダーになるために、急増する新規取引先の中から、組める相手を絞り込み、この際取引契約上の自由度をどの程度確保するかが重要になります。②医療用機器の世界市場参入は海外から
戦後高い欧米の機器を買うことを余儀なくされていたために、ウェアラブル医療用機器において、残念ながら保険適用において国内の承認よりも海外承認の方が早いのが現実です。なお、国内では、保険適用外でも販売リスクをとってくれる相手先とどのように連携できるか重要になりますので、多くの新規取引先から探してください。この際の営業コンタクトは、トップダウン型が可能な取引先が適切です。③西陣織技術をベースに、京都を次世代MOTブランド基地に
京都は、戦後最もグローバルベンチャー企業を輩出した集積地です。しかし、ここ20年全く存在しません。西陣織という京都では最も古い技術を活かし、一度京都を体験した文化レベルの高いビジネスマンを魅了する京都で、MOT(技術経営:技術を活かした高収益モデルの構築)を実践していただきたい。2016年7月4日インデペンデンツクラブ月例会 東京21cクラブにて