アイキャッチ

「「マンガビジネスの世界戦略」」

公開

<聞き手>
株式会社AGSコンサルティング
専務取締役 小原 靖明さん(右)
1985年明治大学大学院法学研究科修了。1989年当社入社。2000年IPO支援会社ベックワンソリューション設立、代表取締役就任。2007年合併に伴い、当社取締役就任。2012年3月常務取締役。2014年3月専務取締役(現任)

<話し手>
株式会社フーモア
代表取締役 芝辻 幹也さん(左)
1983年5月14日生。愛知県立豊丘高校出身。2007年東京工業大学工学部卒業。2009年同大学院修了後、2009年5月アクセンチュア入社。2010年7月ルームシェアメンバーと㈱シェアコトを創業、グルーポン系サイトを立ち上げる。同事業譲渡後、2011年5月㈱トライバルメディアハウス入社。2011年11月当社設立、代表取締役就任。

【株式会社フーモア 概要】
設 立 :2011年11月11日
資本金 :304,640千円(芝辻幹也、VC、事業会社ほか)
所在地 :東京都中央区銀座8-15-2 銀座COMビル3F
事業内容:オリジナルマンガ制作、クリエイティブ受託事業


<特別対談>これからのIPOスタイル

「マンガビジネスの世界戦略」


小原:いつ頃からマンガを描き始めたのですか。
芝辻:中学時代に鳥山明のドラゴンボールに出会い、高校時代はずっとマンガを描いていました。

小原:受験勉強はしましたか。
芝辻:物理と数学が得意だったので東工大を選びました。出版社が多くある東京に行きたかったので。

小原:マンガ家ではなく、マンガで事業をしようと思ったのはなぜですか。
芝辻:大学院まで含めて7年間、さすがにマンガ家として食べていくのは難しかったので就職しました。外資系コンサルに行ったのは数多くの事業を見られると思ったからです。もっと多くの人と交流したいと思ってシェアハウスに入り、そこで知り合った3人と意気投合して起業しました。結局、その事業は売却してソーシャル系の会社に転職しましたが。

小原:しかしその経験が4000名を超えるクリエイターネットワークを有する貴社の強みに繋がっていると思います。
芝辻:ゲーム・アニメ・コミック向けにイラスト制作のクラウドソーシングが現在の事業のベースになっていますが、今後はオリジナルマンガを制作していきます。そのために昨年より事業会社やVC向けに約3億円の資金調達を実行しました。

小原:世界にマンガを広げるためには、著作権問題やマネタイズ手法などの課題があります。
芝辻:韓国のWebtoonはアメリカWEBメディアとのコラボで世界的に成功しています。私たちも海外企業との提携戦略私たちも海外企業との提携戦略を進めています。国内マンガ市場は5000億円と言われますが、海外展開とメディアミックスによってポテンシャルは7兆円あると試算しています。

小原:スマホの出現によって電子書籍市場は大きく広がりました。同時にビジネスモデルも変わります。出版社に代わってマンガに関わる人を育てる新しい仕組み作りが必要です。
芝辻:私たちが目指すのはマンガ版「PIXAR」です。従来は漫画家が一人で制作していましたが、これからのマンガは組織で創る時代です。今までの制作実績から、社内外のライター、デザイナー、ディレクターをチーム化する力には自信があります。

小原:芝辻社長には上場だけで終わってほしくない。大きな志と経営哲学を持ち、日本のマンガ文化を世界に広めていただきたい。私どももそのためのお手伝いを全力でいたします。本日はありがとうございました。

※「THE INDEPENDENTS」2016年4月号 - p11より