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「「和コスメの海外ブランディング戦略」(株)ディーフィット 立川真由美」

公開

<聞き手>
株式会社AGSコンサルティング
専務取締役 小原 靖明さん(右)
1985年明治大学大学院法学研究科修了。1989年当社入社。2000年IPO支援会社ベックワンソリューション設立、代表取締役就任。2007年合併に伴い、当社取締役就任。2012年3月常務取締役。2014年3月専務取締役(現任)

<話し手>
株式会社ディーフィット
代表取締役 立川 真由美さん(左)
1968年12月28日生。石川県立金沢二水高校出身。 青山学院女子短期大学英文科を卒業し、北國新聞社などを経て、1999年当社設立、代表取締役就任。

<株式会社ディーフィット概要>
設 立:1999年12月3日
資本金:20,000千円(株主 経営陣)
所在地:東京都新宿区神楽坂3-1
事業内容:
化粧雑貨「まかないこすめ」、 金箔および金箔関連商品の企画販売

<特別対談>これからのIPOスタイル


和コスメ「まかないこすめ」を店舗展開する株式会社ディーフィット立川真由美社長と、事業計画作成を支援する株式会社AGSコンサルティング小原専務に、海外ブランディングと成長戦略についてお伺いしました。

小原:和の化粧品リーディングカンパニーを目指すというビジョンが明確で、さらに国内外の競合先の中でのブランドマッピングができているので会社の方向性が非常にわかりやすい。 立川:「まかないこすめ」は、実家の吉鷹金箔本舗(金沢市)で働く女性が、金箔屋特有の肌に厳しい環境から自分たちの肌を守るために生まれた手作りコスメが原点です。現在の商品アイテムは約500点で長く飽きられずに使われる事を意識しています。 小原:売上10億を超える企業は組織が出来ている。急成長ベンチャーには組織づくり面で苦労している企業がたくさんある。その面でも立川社長のマネジメント力は高く評価できます。
立川:現在11店舗で従業員は80名です。接客重視の方針なので店舗への人員配置が多くなります。お客様に和コスメのストーリーをよくご理解いただけるよう心掛けています。
小原:成田空港や羽田空港国際線にも出店してお土産用スキンケア商品として海外からのインバウンド需要に対応しています。商品は比較的買いやすい値段設定ですが、海外を意識した高級ブランド化も検討されたらよいと思います。
立川:2016年3月に東急プラザ銀座内に新店をオープンします。私たちのグローバル展開戦略は、注目エリアのコーナー出店しパブリシティを活用する。日本だけでなく海外でも百貨店を中心に出店場所を選んでいくと同時に希少価値を高めていきます。原点である金箔を活用するなど、商品ラインアップも高級化路線に転換しながら現在リブランディングしています。

小原:成長発展を続けるために投資金額が一段と増えていきます。金融機関との信頼関係構築はもちろん、エクイティ調達においては、民間ベンチャーキャピタルやクールジャパン機構など官民ファンドも検討されると良いでしょう。
立川:商品開発と直営店への投資を考えると資金調達強化は必至です。海外展開していく中でいずれは路面店も出したいと思います。

小原:テンプスタッフ篠原欣子会長、サニーサイドアップ次原悦子社長など、私どもは女性起業家の株式上場を何社も支援してきました。
立川:私自身は女性起業家という意識は特にありません。この会社を従業員と共に大きく成長させたいという想いだけで経営しています。
小原:男性も女性も関係なく、そのようなお考えの方が成功しています。ぜひ株式上場を通じて、海外にも和コスメを広めてください。本日はありがとうございました。



―対談を終えて―
小原:既にリアル店舗で10億円以上の売上があること、また、海外展開も始まっていること、さらに、近時、日本に多くの外国が来ていることを考えると、事業の大きな展開を想像するに難くありません。社長も対談中に話していたとおり、世界に適用するブランディング戦略を立てることが、何よりも必要となってきます。今後は、間接金融のみならず、民間のVC、官民ファンドに限らず、直接金融も検討し、確実な事業展開を企られることを期待しています。
立川:小原さんには私たちの現状を客観的に見てくださり、今の立ち位置について自分たちも再認識できたことはとても有意義でした。今後は、ブランディングの強化とともに高価格帯のシリーズの打ち出し、資本政策も重要になってくることが明確になりました。多くの企業の上場を手掛けられている小原さんにアドバイスいただいたことで、まだまだこれからですが、向かう方向性を見失うことなく、安心して舵をとっていけそうです。貴重なお時間をありがとうございます。



※「THE INDEPENDENTS」2016年1月号 - p14-15より