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「キャピタリストの事業開発力」

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【國本 行彦】
1960年8月21日生。東京都立志村高校卒業。
1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。
2006年(株)インディペンデンツ設立、代表取締役就任。


インデペンデンツクラブから株式会社ラクスが東証マザーズに上場承認(12/9上場予定)されました。ラクス中村社長は2000年にインフォキャスト社を創業して半年で楽天に会社を売却、同時にアイティーブースト社(現・ラクス社)を設立しました。当初のビジネスモデルは技術者教育事業でしたが、現在はクラウドサービス事業が主力になっています。事業環境に応じてビジネスモデル転換ができるのは優れた経営者の資質の一つです。

ベンチャー投資においては、将来変化するビジネスモデルは予想できません。投資時に起業家の資質見極めは重要ですが、優れたキャピタリストは事業モデルの転換をアドバイスします。もちろんそれは最高経営責任者が決断する事ですが、その実行を後押しできる力をキャピタリストは持たなくてはなりません。追加投資をするか、投資売却するかの判断とその実行力です。

「収益が出てから投資します」はキャピタリストの断り文句としては不適切です。起業家や事業に魅力を感じるのであれば、投資ができるような事業計画作成をアドバイスすべきでしょう。日本に金融資産は豊富にありますが、それを運用できるキャピタリストが少ないのが現状です。これからのキャピタリストにはディールメイキング能力の向上(経験)が求められています。

追伸:来年1月より、インデペンデンツクラブはNPO法人として活動します。パブリックな組織として、一人でも多くの方と一緒に知恵を出し合い、1社でも多くの公開会社を育てていきたいと思います。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

※「THE INDEPENDENTS」2015年12月号 - p2より