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「”和コスメ”の実力を 世界の女性のお肌に伝えていきます」

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【代表取締役 立川 真由美 氏】
石川県立金沢二水高校出身。 青山学院女子短期大学英文科を卒業し、北國新聞社などを経て、1999年当社設立、代表取締役就任。
現在国内に和コスメブランドの「まかないこすめ」を14店舗展開。海外では、パリやロンドンの百貨店に常設コーナーを展開。

【株式会社ディーフィット】
設 立 :1999年12月3日
資本金 :20,000千円
所在地 :東京都新宿区神楽坂3-1
事業内容:化粧雑貨「まかないこすめ」、金箔および金箔関連商品の企画販売
https://e-makanai.com/



金沢の金箔屋から生まれた自然の和コスメ「まかないこすめ」を展開。
日本古来の天然植物から作った化粧品を世界へ発信する起業家。


―海外観光客からも人気が高い和コスメ店舗「まかないこすめ」を展開しています。

神楽坂を本店として、東京スカイツリーや丸ビル、国際線空港などの主要ランドマーク商業施設を中心に国内11店舗展開しています。今年3月には北陸新幹線開業とともに金沢駅にも出店しました。メインターゲットは30~40代の女性で、和の趣のある洗練されたパッケージデザインによってブランディングをしています。海外観光客のインバウンド需要も重視しており、羽田国際空港店や成田空港ターミナル店の売上の半分は外国人からです。

―ヨーロッパやアジアへの現地販売を今年から始めています。

コスメ大国のフランスでは世界最古の百貨店と言われる「Le Bon Marche Rive Gauche」で「まかないこすめ」を常設販売しています。ハラル圏であるマレーシアでは、三井アウトレットパーク・クアラルンプール国際空港内でムスリムフレンドリー・和コスメブランドとして販売しています。

―国内の中小企業が世界展開する事例は増えていきそうですね。

日本の中小化粧品メーカーが世界へ展開するための課題は2つあります。一つは各国の規制をクリアする事です。「まかないこすめ」は世界的に厳しいEU化粧品規則における安全性評価基準を満たしています。ハラル認証取得も重要になります。二つ目は各地域のオリジナリティです。外国人観光客もリピータが増えてきており、日本人以上に日本的なものに魅力を感じるようになっています。ミニ京都的なコンセプトだけでは振り向いてくれません。

―石川県金沢市の金箔屋が発祥です。

私の実家は創業1899年(明治32年)の吉鷹金箔本舗です。そこで働く女性たちは金箔屋特有の高温・乾燥する厳しい作業環境の中で、「まかない(裏方・作業場)」で美肌づくりの試行錯誤を行ってきました。金箔はお肌の新陳代謝を高めると言われており、それらを「まかないレシピ」として集約・編纂して女性のお肌のためのやさしい化粧品として手作りでつくっていたのが「まかないこすめ」の原点です。

―群馬県下仁田産こんにゃくを素材とした洗顔用スポンジも展開しています。

こんにゃくマンナンだけを抽出し「凍りこんにゃく」と呼ばれる状態にして、洗顔用スポンジや天然スクラブ材として商品化しています。日本古来の天然植物から抽出したエキスを主成分として自然派コスメが「まかないこすめ」のコンセプトです。

―和紙を素材としたタオルで「おもてなしセレクション」金賞を受賞されました。

金箔屋と和紙は切っても切れない関係です。金箔は10円玉サイズの金を溶かして和紙(箔打ち紙)に挟んで叩いて伸ばして作られます。和紙は大変丈夫であることから、その汎用性に着目し、綿と共に織りあげた浴用ボディタオルとして販売したところ、「おもてなし」精神を世界に発信していくにふさわしい商品として、2014年度「おもてなしセレクション」の最高評価である金賞を受賞しました。

―特許や商標登録取得など知財戦略を重要視しています。

「凍りこんにゃくスポンジ」の製法特許を取得した工場との提携、「まかないこすめ」などの商標登録、「古布のバック」では意匠登録も取得しています。知財戦略は商品開発の一環として捉えています。

―製造から販売まで自社で手掛けています。

新卒で地元金沢の新聞社に入り事業局で石川県の伝統工芸などのイベントなどを手掛けた後、東京のPR会社に入り企業のプロモーション活動のお手伝いをしていました。創業のきっかけは、実家の金箔事業が斜陽になり、その副産物である和紙でつくった「あぶらとり紙」販売を事業の柱にした事です。当初は卸業でしたが、自分たちで納得のいく方法と価格でお客様に提案できるようにしたいという想いで、実家の母や祖母が手作りしてきた化粧品を「まかないこすめ」シリーズとして直営店で販売することになりました。

―売上10億円達成という節目を迎えましたが、今後の事業戦略を教えてください。

「まかないこすめ」は日本古来の天然植物を主成分とした伝統和コスメとしてブランド確立に注力してきました。現在の売上の6割は国内の直営店販売です。今後はグローバル店舗展開、海外向卸販売など海外比率を高めていきます。一方で新規事業として、いしかわ地域資源活用をコンセプトとした美容食へも取り組んでいきます。店舗展開よりは人材開発やシステム開発投資を重点的に行い、株式上場を視野にした財務戦略も考えていきたいと思います。


<事業計画発表会>

立川真由美社長には下記開催の事業計画発表会にてプレゼンいただきます。
・2015年10月13日東京インデペンデンツクラブ@東京21cクラブ コラボスペース(新丸の内ビル10F)

※「THE INDEPENDENTS」2015年10月号 - p14-15より全文掲載