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「地震に無傷!住む人の命と財産を守るWPC住宅」

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百年住宅株式会社
代表取締役 中嶋 雄さん

1974年静岡県静岡市生まれ。千葉大学工学部建築学科卒業。東日本ハウスでの2年半の修行就職の後、当社前身の「静岡レスコハウス」に入社。2010年1月当社代表取締役就任。

住所:静岡県静岡市駿河区大谷2443 TEL:054-237-0500
設立:2004年6月(グループ設立:1977年4月) 資本金:4,800万円 従業員数:129名
http://www.wpc100.co.jp/

―東海地震が恐れられている静岡での使命
百年住宅は、東海地震がいつ起きてもおかしくない静岡に本拠地を構えるWPC(Wall Precast Concrete:壁式プレキャストコンクリート)住宅メーカーで、お客様の99%が静岡県内の方で占められております。阪神大震災をはじめとする巨大地震でも窓ガラス1枚も割れず、住む人の命と財産を守る地震に無傷の家を提供しています。日本の住宅の平均寿命(建て替え年数)は約30年と言われています。これは欧米の住宅と比べるとは約5分の1にもなっています。当社は住宅業界の常識を変え、社名の通り「100年もつ家」をコンセプトとして耐震性と耐久性を強化することに信念を注ぎ、「命と財産を守る」「日本から住宅貧乏をなくす」ことに貢献しています。

―新WPC工法と35年保証
WPC住宅は耐震性で特に優れています。先にも申したように、阪神淡路大震災でも近隣の木造家屋が全壊する中、全く被害がないという実績があります。しかし、私達はこの実績に甘んじることなく、当社独自の「新WPC工法」を開発しました。あらゆる災害に強く、孫の代まで丈夫な住宅、すなわち「いつまでも住む人の命と財産を守る」最強の住宅を提供することが使命だと思っています。2007年に財団法人防災科学技術研究所の大型耐震実験施設において同財団法人、東京大学と共にWPC住宅初の振動台実験を行ったのも、その一環です。また、PCパネル自体の強度を旧来のものより148%アップ、パネルの筋交いの役目をするシェル部分の厚み175%増強を実現するなど強度の向上を行いました。更に工期の大幅短縮をさせるための壁板結合の工夫や梁・ジョイントの簡略化といった研究開発にも資金を投じました。耐震性、耐久性、耐火性、耐風性、遮音性、断熱性、屋上利用の7点に関して日本一となっています。そして、お客様のリスクを保証するため、業界では例のない「無条件構造躯体35年保証」を行い、お客様の安心を極限まで追求しています。

―グループ傘下から離れて理念を貫く
昭和57年よりレスコハウスのグループの一員としてWPC住宅を提供してきました。私自身WPC工法に魅了され、今の日本にはWPC住宅が必要だという使命感のもと働いてきましたし、多くのお客様に賛同していただいてきました。しかしながら、お客様の声を反映したより良い住宅を提供したくても、グループ傘下であるがゆえに叶えられない歯がゆさを感じることがありました。開発のスピード感やビジネスの多角化の考え方では、特にそれがありました。そんな矢先、4年前にウベハウスのM&Aの話が舞い込んできました。M&A戦略はそれまで考えもつかなかった方法でしたが、この千載一遇のチャンスにより新たな自社工場を持つことになりました。そして、平成22年1月1日に満を持してレスコハウスグループから離脱し、「百年住宅株式会社」に社名変更して新たなスタートを切りました。

―防災・収入住宅の展開
100年以上住むことができる家づくりの使命の一環として、防災住宅にも取り組んでいます。ライフラインが途絶えても、短時間で電気がつき、水も使え、調理もできる設備を装備した住宅です。震災後も避難所生活をすることなく自宅で生活ができる、精神衛生上にも大きな役割を持つ住宅と言えます。収入住宅も大きな柱の一つです。耐震性・耐久性・耐火性・遮音性といった特徴を最大限に活かせ、かつ「稼ぐ」家として賃貸併用住宅という形をご提案しています。

―営業の標準化の重要性とゴール
当社の特徴をより多くのお客様にお伝えするには、営業力を上げることも欠かせません。昨年10月よりプロセスマネジメント大学を6名で受講しました。年間20棟売る社員もいれば2棟しか売れない社員もいる。みんな努力していないわけではない。売れている人がなぜ売れているのか、そのやり方を標準化・体系化したいと以前から思っていました。戦略的に営業社員を増員してきているので、経験の浅い社員をいち早く戦力化する必要性があります。プロセスマネジメント大学のコンテンツは、営業をロジカルに体系化されていてとても新鮮です。また、たくさんのフレームワークが用意されていて、頭の中でもやもや考えていたことが図式化できる点でも役立っています。これからやりたいことのリストがどんどん出てきています。当面のゴールは「3・3・3計画(県内3位、3年以内、県内シェア3%)」の達成です。これが達成できれば、WPC住宅メーカーでも1位になれると確信しています。

―憂きことのなおこの上に積もれかし 限りある身の力試さん
「悩み事よ、やってこい。私の命ある限り負けはしない」という意味のこの言葉が私の座右の銘です。どんな困難をもチャンスに変えて、WPC工法を広めることと社員とその家族を守ることに自分の一生をかけて取り組んでいきたいと思っています。


―東北地方太平洋沖地震および静岡東部地震によせて
謹んで地震災害のお見舞いを申しあげます。このたびの東北地方太平洋沖地震により被害を受けられました皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。一日も早く復旧されますようお祈り申し上げます。
3月17日に起こった富士宮市での最大震度6強の地震も記憶に新しいと思います。静岡県東部に約1,300軒のお客様がお住まいですが、翌々日中に富士宮市内は全戸訪問をして構造体の被害が無いことを確認できました。その他の市町村も全戸連絡をし、今回もお客様をお守りすることができたことに社員一同安堵しました。
また、国交省からの要請を受け、東北地方の応急仮設住宅の設置に一役買うことにもなり、被災地の復興に貢献できることを誇りに思っています。

※全文は「THE INDEPENDENTS」2011年4月号 - p36-37にてご覧いただけます