「新産業創出」
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國學院大学
教授 秦 信行 氏
野村総合研究所にて17年間証券アナリスト、インベストメントバンキング業務等に従事。
1991年JAFCO に出向、審査部長、海外審査部長を歴任。
1994年國學院大学に移り、現在同大学教授。1999年から約2年間スタンフォード大学客員研究員。
日本ベンチャー学会理事であり、日本ベンチャーキャピタル協会設立にも中心的に尽力。
早稲田大学政経学部卒業。同大学院修士課程修了(経済学修士)
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第9回一般財団法人東京ニュービジネス協議会主催の「IPO大賞授賞式」とそれに続く受賞会社トップによる講演会が3月11日(水)東京証券取引所ホールで催された。今年度の大賞には、ルーキー部門にCYBERDYNE株式会社が、グロース部門で株式会エスクリがそれぞれ選ばれた。
既にこのコラムでIPO大賞については紹介し、ルーキー部門とグロース部門の2つの部門で大賞を選んでいることを書いた。改めて各部門を説明すると、ルーキー部門には、その年1年間(正確には前年の10月以降9月まで)にIPOした企業を対象に、将来大きく成長することが見込まれる企業を、グロース部門には、IPOしてから4年経った企業を対象に、その4年間に売上高が100億円を超え、かつ売上の伸び率が200%以上になっている企業、加えて将来更なる成長が期待できる企業を選んでいる。
今回のルーキー部門は、一昨年来IPO市場が急速に回復し、新規上場企業数が増加したことを反映して、67社が対象であった。一方のグロース部門は、4年前にはIPO市場が冷え込んでいたことから19社が対象企業であった。
選考は、審査委員会を組織して行なっているが、今回ルーキー部門については、各審査委員文句なしにCYBERDYNE社を選んだ。グロース部門に関しては、少し議論があった。しかし、ブライダル事業という、少子化の中で成長というよりむしろ停滞分野だともいえる事業分野で独自の工夫、差別化で業績を伸ばしているエスクリ社を選んだ。
表彰式後には、大賞2社のトップ、CYBERDINE社の山海嘉之社長/CEOとエスクリ社の岩本博社長にご講演頂いた。
大学卒業後サントリーとリクルートを経て創業されたエスクリ社の岩本社長の業界の常識にとらわれない事業戦略についてのお話も興味深かったが、CYBERDYNE社の山海社長の将来展望の話は、この会社のポテンシャルを知る上で更に興味が湧くお話であった。
CYBERDYNE社は、ご存知の方も多いと思うが、筑波大学から生まれた大学発ベンチャーといえる会社である。社長の山海さんも大学の研究者であり、技術者である。その山海さんが強調されていたのが、新産業創出、すなわちCYBERDYNE社を中心に、サイバニクス(人・ロボット・情報系の複合融合技術)を活用し、介護・医療領域だけでなく、生産現場での作業支援、災害現場でのレスキュー支援など、幅広い領域での新しい産業、つまり関連領域を巻き込んだサプライチェーン(=産業)の創出を目指しているというという点であった。通常、大学の研究者、技術者の方であれば、社長であっても革新的な技術の話をされることが多いように思うが、山海社長は違った。
日本での新産業創出の必要性は従来から叫ばれていることである。山海さんのお話をお聞きして、サイバニクス技術を核にした幅広い生活領域での新しい産業創出の可能性を強く認識した次第である。
※「THE INDEPENDENTS」2015年4月号 - p16より