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「<特別対談>リヴァックスグループ 赤澤健一」

公開

<聞き手>
株式会社AGSコンサルティング
専務取締役 小原 靖明さん
1985年明治大学大学院法学研究科修了。1989年当社入社。2000年IPO支援会社ベックワンソリューション設立、代表取締役就任。2007年合併に伴い、当社取締役就任。2012年3月常務取締役。2014年3月専務取締役(現任)

<話し手>
リヴァックスグループ
代表 赤澤 健一さん
1961年生れ。同志社大学大学院修了。1984年大栄サービス(現リヴァックス)入社。2004年大栄サービス(現リヴァックス)代表取締役社長就任。2010年リヴァックスホールディングス代表取締役社長就任。

<リヴァックスグループ 概要>
創 業:1960年
資本金:1億4700万円(グループ全体)
所在地:兵庫県西宮市鳴尾浜2-1-16
グループ会社:
●リヴァックスホールディングス株式会社(代表取締役:赤澤 健一)
グループ子会社(100%)管理、不動産管理
●株式会社リヴァックス(代表取締役:赤澤 正人)
近畿圏全般における産業廃棄物の収集運搬、中間処理、リサイクル
●株式会社リリーフ(代表取締役:寺崎 春明)
西宮市における一般廃棄物収集運搬、遺品整理、住環境整備事業、リユース事業
●株式会社大協(代表取締役:森下 和尚)
伊丹市における一般廃棄物収集運搬、グリストラップ清掃事業

CSR(企業の社会的責任)とIPO


小原:今まで数多くの産業廃棄物処理工場を見てきましたが、設備、車両、運転手の服装、ここまで綺麗に整頓された会社は初めてでとても感動しました。
赤澤:私どもはゴミを出さない循環型社会を目指しています。弊社グループは廃棄物の収集運搬から処理まで行っています。今後は「清掃」をキーワードとした事業をグループ経営の柱にしていきたいと考えています。

小原:独自に作成されているCSR報告書も大変立派ですね。
赤澤:「日本で一番遵法性と透明性の高いビジネス」をビジョンに定め、2002年から毎年「環境報告書」を発行しています。廃棄物処理業は、お客様、金融機関、そして地域からの信頼があってこそ成り立ちます。情報公開より一歩進めて説明責任という姿勢がないと立ち行かなくなります。

小原:「エネルギーメーカー」への展開も目指しています。
赤澤:食品製造工場から出る汚泥を乾燥させて燃料に再生する「バイオマス資源化事業」は好調で、乾燥プラントの稼働率は90%以上になりました。燃料費の高騰に苦しんだ時期もありましたが、ようやく軌道に乗ってきました。バイオマス発電なども将来検討していきたいと思います。

小原:設備投資先行型の事業ですから資金調達には特にご苦労されたと思いますが。
赤澤:建設認可に4年程度かかり、その間、何回も事業計画を作成しました。認可後は産業廃棄物処理事業振興財団の保証もいただけ、金融機関からの借入もスムーズに実行できました。

小原:遺品整理事業を行う㈱リリーフの業績も好調です。何より社会的意義の高い事業だと思います。
赤澤:私たちの仕事はない方がいいと思います。しかしいろいろな事情でお客様がお困りになる状況が現実に発生しています。
小原:私自身も辛い経験をしましたが、高齢化社会を迎え確実に需要が増えます。
赤澤:遺品整理は故人の残された物を扱うので丁寧な仕事が何よりも大切ですし、時には脱臭・除菌を伴う特殊清掃が必要な場合もあります。

小原:一方で参入障壁は低く、競合先も多い。今後はブランド化が重要です。
赤澤:家業的企業を中心に3000社以上あると聞いていますが、おかげさまで関西ではトップの手応えを感じています。関東・関西・東海地区が対応エリアで、葬儀社、介護事業所、不動産管理会社、成年後見人(弁護士、行政書士など)へ営業しています。
小原:地域を絞って効率的に営業ルート開拓を行う必要があると思います。FC展開も一つの方法です。
赤澤:家具などの回収した遺品は、西宮の倉庫で仕分けして海外へ輸出・販売します。収益性よりも想いの共有ができるかどうかが事業成長のポイントだと考えています。
小原:グループ全体として、人ができない事をお助けする会社である事がよくわかりました。グループおよび各社の益々のご発展を期待しております。

<対談を終えて>
小原:経営管理的には事業別のROA設定が有効です。グループ各社をPLだけでなくBS分析して資金配分戦略を考える必要があります。グループIPO戦略においては子会社上場も含めて考え、特にB2Cモデルの遺品整理事業は、資金調達よりブランディングのためにIPO検討するとよいと思います。

赤澤:上場は経営戦略の一つの手段ですが目的ではありません。2010年にHD(持株会社)化でグループ3社を管理するようになりました。私自身は新規事業や海外展開などグループ戦略を考えていき、グループ各社の経営はそれぞれの社長に任せていきます。