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「新しい農業をみんなの力で作り出す」

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【鈴木貴博 略歴】
1976年4月13日生まれ。東海大学第一高校卒業。九州東海大学工学部卒業。山梨県の農業法人で1年間の研修を受け、父の経営する鈴木農園に2008年入社。自社生産だけではなく協力農家、独立の生産者を育て作物を購入することができる会社を目指して農業を始める。簡単には良いものができず苦戦の日々。恩師から、「作物は育てているのではなく、成長の手助けをするもの」との言葉をもらい経営が大きく前進する。

【株式会社鈴生 概要】
設 立 :2008年12月2日
資本金 :3,000千円
所在地 :静岡県静岡市葵区下1108-8
事業内容:農作物の生産加工販売・資材種苗等販売


鈴生(すずなり)では直営農場はじめ、米やお茶の農閑期に栽培してもらう協力生産者7軒、鈴生で研修を受けた独立生産者7軒、計14軒の協力農家と(株)モスフードサービスとの共同出資会社である(株)モスファームすずなりなど延べ面積90haの圃場より、レタスや枝豆等を生産出荷しています。

■ お客様が求める野菜をつくる。
当社は契約取引をメインにしており、「誰を対象に作物を作っているか」を大事にしています。レタスでは、加工業者は歩留まりが良く作業効率が上がる新鮮なものがほしい。枝豆では、百貨店は味が濃く香り・風味の強い差別化できるものがほしい。常にマーケットを見ながら、お客様が求める野菜の栽培に集中し、生産技術の改善を重ねています。

■ ICTで圃場の見える化。
ウェブ上で管理がおこなえるシステムを利用し、現状の圃場管理状態を全員で共有しています。また、感覚だけでは見えない問題を発見するため、栽培環境の温度や日射量、作業時間や単位面積あたりの総経費を数値的に把握し、品質維持向上に役立てています。

■ 新規就農者育成への取り組み。
就農にとって最も大事な事は「農業をする」という熱意ですが、現実には様々な問題が新規就農者の妨げになっています。当社では、作りこんだ圃場の提供や資材費負担の軽減、出荷先の確保、経営に関する勉強会開催などを通じて、新規就農者が長期的に農業に携われるようサポートを実施しています。

■ 発表者からのコメント
社名である「すずなり」には、作物も人もたくさん実る会社にしたいとの想いがあります。農業分野はまだまだ遅れていますが、当社では生産工程の細分化をおこない、各専門家と作業を分担しながら、農業の二次産業化に向けた取組みを進めています。今後もいろんな企業とコミュニケーションを図りながら、新しい農業の形を作っていきたいと考えています。