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「地方発の新規公開会社の動向」

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【國本 行彦】
1960年8月21日生。東京都立志村高校卒業。
1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。
2006年(株)インディペンデンツ設立、代表取締役就任。


2014年の新興市場*の新規上場は59社(全体80社)のうち地方企業は18社です。2013年の新興市場の新規上場46社(全体58社)に対して、地方企業は20社と若干の減少でした。昨年の新興市場新規上場は、東京本社が41社(70%)、うち東証マザーズ37社(全国44社)と、東京集中が鮮明でした。それでは今後の地方発の新規公開会社は増えるのでしょうか?
*新興市場(マザーズ、ジャスダック、名証セントレックス、札証アンビシャス、福証Qボード、東京プロ市場)

地方のベンチャー育成の中心となるのは、地域のベンチャーキャピタル(VC)です。1984年から全国各地の金融機関が一斉に地域VCを設立しました。中信ベンチャーキャピタル(京都中央信用金庫グループ)は、設立から30年の累計投資社数は71社、うち10社が株式公開しました。昨年の投資社数は6社と過去平均に比べ倍増で、昨年に続きこれからも投資先からの株式公開が見込めるそうです。

VCは投資先一社毎にfacetofaceで向き合う極めてアナログ的な仕事です。投資先は30分以内で行けるところに限定、と米国では言われます。一方で投資先の資金調達や事業提携のため、地域外とのネットワーク力が重要になってきました。

2014年度のインデペンデンツクラブ事業計画発表企業75社のうち66社(88%)は地方企業でした。地方からの新規上場企業は確実に増えると確信しています。発表企業は地域のVCやベンチャーコミュニティからの紹介が大半です。今年のインデペンデンツクラブは、地方企業の東京での情報発信やネットワーク構築支援をもっと充実していきます。

※「THE INDEPENDENTS」2015年2月号 - p2より