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「事業の本質を見抜く」

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【國本 行彦】
1960年東京都豊島区出身。
1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。
2006年(株)インディペンデンツ設立、代表取締役就任。

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ベンチャーキャピタルの投資判断ポイントは、第一に市場の成長性です。ドラッカーの言うところの「顧客の創造」です。次は事業のキャッシュポイントです。いつ、どこで、誰から、どのように収益を上げるビジネスモデルなのか。さらに黒字化するまでのコストはどのくらいか、仮想敵国(潜在的脅威)はどこか。それらが明確であれば、競合対策、あるいは提携戦略が描けます。そして実行力。特許などのテクノロジー、マネジメントチームの力量、何よりも起業家の事業に賭ける情熱。優れたキャピタリストはそれらを一瞬で理解します。

今年のIPO社数は昨年の58社(プロ市場3社含)を大幅に上回ります。*11/21時点承認数80社(プロ市場3社含)
東証マザーズ、名証セントレックスなど、新興市場は若い企業を積極的に受け入れています。一方で不祥事を起こす企業も散見されるようになりました。

事業基盤が固まるまでには通常5年はかかると言われます。持続的成長モデルを作るためには更に長い期間が必要です。まだ事業基盤が不安定な企業経営者には焦りがあるのかもしれません。

事業の本質は、企業理念の実現に向かう中、事業基盤を構築する過程で見えてきます。

時に経営者は事業の本質を見誤る事があります。事業の本質を見抜ける投資家は、長期的視点で持続的な事業発展の応援ができます。新興市場を登竜門として東証一部を目指す企業には、事業の本質を正しく把握して、多くの人に理解される必要があります。

※「THE INDEPENDENTS」2014年12月号 - p3より