「日本の大衆魚『サバ』の美味しさを世界の人に伝えたい」
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【代表取締役 右田 孝宣】
1974年9月3日生まれ(現在サバ読んで38歳)。
大阪市立淀商業高校卒業後、スーパーを経て、オーストラリアの寿司チェーンで工場長とスーパーバイザーの経験を積む。
27歳の時に帰国し、様々な仕事にチャレンジするが全てうまくいかず挫折。
30歳で居酒屋「笑とり」オープン、2011年に従業員に売却する。
同時に妻が代表を務めていた㈱鯖やの代表取締役に就任する。
【株式会社鯖や】
設 立 :2007年6月1日
資本金 :5,000千円
所在地 :大阪府豊中市庄内東町1丁目7番33号
事業内容:鯖寿司の製造販売・鯖加工食品販売
http://www.nbhl.co.jp/
【バックナンバー】
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「とろさば」のブランド化で付加価値を追求する。
鯖をこよなく愛し日本の食文化を世界に伝えていく起業家。
―鯖寿司専門店「鯖や」を展開しています
大丸と阪急内に専門販売店を、JR新大阪の駅弁、伊丹空港では空弁を販売しています。2007年創業時は鯖寿司の宅配およびネット販売でしたが、2013年からは量販店向けに卸事業も始めています。現在の売上7割は鯖寿司弁当で、3割がしめ鯖などの加工品販売です。
―日本を代表するトップブランド「八戸沖前サバ」を使用しています
鯖は世界のどこの海でも獲れますが、ノルウェー産が有名です。日本では、関サバ、松輪サバ、清水サバなど全国各地で鯖はブランド化されています。日本最北端漁場で獲れる「八戸沖前サバ」は脂肪が最良で「とろさば」として認定されています。当社では認定ロゴ(商願2013-027727)を取得し、「とろさば」を世界のブランドへと育てたいと思っています。
―手作りの「とろさば寿司」が好評です
青魚が嫌いだった私が、オーストラリアで食べた「レア感がある〆サバ」に感動して、その日からサバの研究・開発を始めました。サバの生臭さを取り除きながら旨みを引き出すことに成功したのはそれから10年後でした。当時自分の居酒屋の看板メニューだった「このサバ寿司をもっと多くの方達に食べてもらいたい」。妻のその一言でサバ寿司専門店「鯖や」を作りました。
―今年から外食店舗展開も始めました
とろさば料理専門店「SABAR」を大阪福島に2014年1月にオープンしました。メニューはサバ料理だけ38種類。席も38席と、徹底的にサバ(38)にこだわっています。とろさばのアンテナショップ的意味合いと、テイクアウト販売や卸事業の拠点として位置づけています。
―クラウドファンディングで資金を集めています
「SABAR」1号店用に、ミュージックセキュリティーズを通じて、432名から1788万円を出資いただきました。東京出店にSABARファンド2号で10,020千円、大阪天満出店にSABAR3号ファンドで7,020千円を調達しました。出資者には鯖ファンが多く顧客にもなります。マスコミで取り上げられる事で知名度向上にも繋がります。
―「SABAR」の出店計画について教えてください
今年は3店舗、来年は4店舗で、5年後には38店舗を目標にしています。エリアは関東12店を中心に、大阪、中部、九州と展開する予定です。直営店が主体ですが、FCも今後検討していきます。
―収益力はどのように向上させますか
鯖は大衆魚というイメージですが、鯖寿司は298円から1万円まで価格帯が広くて付加価値をつけやすい。その中で当社は競合の少ない2000円代で勝負しています。今後は卸部門での販売量を増やして仕入原価を抑えると同時に、直販部門は自社店舗を主体にしていきます。
―製造体制の充実が必要です
鯖寿司は豊中の本社で製造していますが限界にきています。現在は加工品を中心に外部業者に生産委託していますが、来期には八戸に自社工場を作る計画です。
―サバの仕入れは安定していますか
日本で獲れる鯖はマサバとゴマサバの2種類で、市況は毎年ジリジリ上がっています。毎年10月~12月に、主に東北の漁港(青森、石巻等)の漁協を通じて1年分の鯖を確保します。当社では従来、鯖寿司に不向きと言われたゴマサバの商品化にも成功しており、両方の価格を見ながら量の確保に務めてます。
―サバの消費量は増えていますか
昭和25年4位でしたが現在は8位です。1位はシャケで、2位はマグロ、そしてイカが続きます。現代の子供たちは魚離れが進んでいて、当社の来店客も40歳から60歳が主流です。しかし消費量は最近少しずつ増えており活けサバを提供する外食店なども現れています。
―サバは体によい成分を多く含んでいるそうですね
青魚は血液をサラサラにすると言われる「EPA(エイコサペンタエン酸)」や、脳の働きを活発にするとされる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」を豊富に含んでいます。EPAはアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー症状や、気管支ぜん息などの症状改善に有効であることもわかっています。将来は鯖のサプリメントを開発したいですね。
―起業までには紆余曲折がありました
高校を4年で卒業後、スーパーの鮮魚部に勤め、23歳のときにオーストラリアへ単身渡りました。そこの社長のバイタリティと事業欲に強い刺激と憧れを持ち、27歳で帰国してビジネスを始めるも尽く失敗。完全に天狗状態でした。どん底状態の中、妻と一緒にやっとの思いで事業化できたのがこの「とろさば寿司」です。
―サバをこよなく愛する「サバ博士」として活動されています
サバの研究を重ねていくうちにサバの効果効能、奥の深さに驚きを感じています。小学校で寿司教室を開くなど、食育活動にも力を入れています。日本の食文化を世界へ広げるためにも、3年以内にタイに進出し、2019年には上場を目指しています。
※「THE INDEPENDENTS」2014年9月号 - p4-5より