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「<特別対談>FiNC 代表取締役CEO 溝口勇児」

公開


<聞き手(右)>
株式会社AGSコンサルティング
常務取締役 小原 靖明さん
1985年明治大学大学院法学研究科修了。1989年当社入社。2000年IPO支援会社ベックワンソリューション設立、代表取締役就任。2007年合併に伴い、当社取締役就任。2012年3月常務取締役。2014年3月専務取締役(現任)

<話し手(左)>
株式会社FiNC
代表取締役 溝口 勇児さん
高校在学中からフィットネストレーナーとして、一般の方からプロ野球、プロバスケットボール選手まで幅広く指導を行い、フィットネス業界最年少で支配人に昇格する。独立後は業績不振フィットネス企業6社のコンサルティング・経営サポートを行い、うち5社を1年で過去最高業績・会員数へと導く。2012年04月 株式会社FiNC設立、代表取締役就任。

<株式会社FiNC 会社概要>
設 立 :2012年4月11日
資本金 :42,000千円(株主:経営陣ほか)
本 社 :東京都港区海岸1-7-8 東京都立産業貿易センター6F
事業内容:オンラインダイエット家庭教師「REPUL」の運営

小原:FiNCが将来的にどういう企業になりたいのかをお聞かせください。
溝口:健康分野で世界一の企業になることを目指しています。日本は課題先進国であり、日本で確立された課題解決手法は世界のロールモデルになります。当社はプラットフォームとして遺伝子検査などをベースとした健康情報を集積し、管理栄養士や運動指導士からユーザーにソリューションを提供していきます。

小原:2017年の上場を目指していますが、申請期の売上イメージはありますか。
溝口:売上高の内訳としては、ダイエットプログラムを提供する事業で2/3、プログラム修了者に物販をおこなう事業で1/3を想定しています。IPOで調達する資金は物販の方に投資していきます。

小原:健康分野のプラットフォーム企業としては、M&Aも重要な戦略になります。
溝口:健康やアンチエイジングに有用な商品・サービスは自社開発だけでは賄えません。ゆくゆくは健康管理におけるバリューチェーンの川上から川下まで展開したいと考えているので、企業買収も検討していきます。当事業においては個人情報を如何に押さえるかが特にポイントになるので、検査部分は最重要視しています。

小原:VCプレイヤーも多様化し、投資ロットも大きくなってきています。この変化をうまく捉えて資金調達する経営者も増えてきました。溝口社長は資本政策でこだわりはありますか。
溝口:投資家と事業シナジーがあるかどうかは重視しています。資金供給だけでなく、事業面でパートナーシップを持てる方は魅力的です。起業経験者や専門家の方からもアドバイスをいただく機会に恵まれており、従前のような投資家との間の情報格差はなくなってきていると感じます。

小原:IPOに向けて急成長を志向すると、どの企業もおおよそ同じ経営課題に突き当たります。貴社のようにベテラン経営者や上場経験者をうまく活用することも大切です。
溝口:経験者から失敗パターンを学ぶことで、危機を早めに察知し対処法を準備することができます。当社では隔週で社外取締役を含めた全体会議をおこない、それ以外でも頻繁に情報共有をしているので、ときにアラームを出してもらうこともあります。

小原:公開会社には組織経営が求められます。組織づくりで大切にしていることを教えて下さい。
溝口:多様性と強固な企業文化をきちんとバランスさせたいと思います。当社ではFINC SPIRITという社内バリューを言葉の定義まで明文化しており、メンバー全員で価値観やビジョンが一致するよう努めています。
小原:私どももスタッフ全員に「AGSway」という経営理念や基本精神を説いた小冊子を配布しています。こういう積み重ねをきちんとできるかどうかが良い会社になれるかの差だと思います。IPO実現に向けて、組織一体で頑張ってください。