「「第8回IPO大賞」」
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國學院大学
教授 秦 信行 氏
野村総合研究所にて17年間証券アナリスト、インベストメントバンキング業務等に従事。1991年JAFCO に出向、審査部長、海外審査部長を歴任。1994年國學院大学に移り、現在同大学教授。1999年から約2年間スタンフォード大学客員研究員。日本ベンチャー学会理事であり、日本ベンチャーキャピタル協会設立にも中心的に尽力。早稲田大学政経学部卒業。同大学院修士課程修了(経済学修士)
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過去2回このコラムでも取り上げた一般社団法人東京ニュービジネス協議会(会長:大久保秀夫氏)主催の「IPO大賞」が8回目を迎えた。この賞は、「株式の上場で日本経済の活性化に貢献している、或いは牽引役となっている企業を顕彰することにより、その意義を世間に広報すると共に、ニュービジネスやベンチャー企業の新興と育成に寄与することを目的」としている。IPO大賞には2部門を設けており、一つが「ルーキー部門」で、過去1年(今年度の場合で言うと、2012年10月から2013年9月までの1年間)にIPOした企業の中から、事業内容に新規性があり、中でも今後も日本経済の成長に貢献するであろう企業を選んでいる。二つ目が「グロース部門」で、4年前の1年間(今年度に当てはめると2008年10月から2009年9月までの1年間)にIPOした企業で、原則4年間で売上高が100億円を超え、かつ売上伸び率が4年間で200%以上の企業の中から、事業がユニークで今後も成長力があり、将来日本経済の中心的な存在になるような企業を選んでいる。
筆者は昨年度から両部門の審査委員長を務めさせていただいている。今年度の「ルーキー部門」については、対象となる企業51社の中から2005年創業の株式会社ユーグレナを選んだ。ご存知のように、株式会社ユーグレナの社名は、「ミドリムシ」という微細藻の学名に由来し、その社名の通り、会社は「ミドリムシ」の屋外大量培養技術の確立に成功、培養された「ミドリムシ」を利用とした機能性食品や化粧品の開発販売で昨年上場を果たした。今後は「ミドリムシ」を利用したジェット燃料の開発も期待される企業である。
「グロース部門」は、対象となる企業が31社と少なく、かつ売上伸び率が200%以上の企業は3社しかなかった。そのため、売上高100億円以下の企業も含めて選ぶこととし、結果、直近決算の売上高はまだ50億円程度ではあるが、経常利益が27億円と利益率が高く、料理レシピのサイト運営というユニークな事業にも注目して、クックパッド株式会社を選んだ。実はクックパッドは4年前に「ルーキー部門」でIPO大賞に選んだ企業であり、不動産・住宅情報サイト運営会社である株式会社ネクストに続く2社目の両部門での大賞受賞会社となった。
IPO大賞の表彰式は去る3月5日に開催された。当日は受賞した2社のトップであるユーグレナの出雲充、クックパッドの穐田誉輝、両氏に来ていただき、当日式に参加した若手起業家や学生諸君にもお二人のお話を聞いてもらった。
出雲氏からは、当初「ミドリムシ」が理解されず、加えて名もないベンチャーであるが故に、大企業500社連続して営業で門前払いを食らった経験談、それでも挫けず最後は伊藤忠商事と取引が出来た話、さらには「ミドリムシ」の将来性についての話、穐田氏からは、創業者である佐野陽光氏との役割分担の話や何故レシピサイトが成立するに至ったか、などの話を聞くことが出来、大変有意義な会であった。
※「THE INDEPENDENTS」2014年2月号 - p19より