「「知的財産を核にコア製品の製造販売へ特化し、アライアンスを通じてビジネス化を進めていきます」」
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グリッドマーク株式会社
代表取締役 吉田 健治さん
1954年 福井県生まれ。高志高校卒業。
東京理科大学理工学部建築学科を卒業後、大成建設に入社。CGシミュレーション技術の研究開発に取り組み、日本大学大学院にて工学博士を取得。
1991年 ビジュアルサイエンス研究所 設立
1992年 東京造形大学 講師 就任
1993年 東京造形大学 助教授 就任
2000年 法政大学情報科学部 教授就任
2004年 GMホールディングス株式会社設立
2009年 当社設立(2012年代表取締役 就任)
所在地:東京都千代田区神田須田町2-19 D2ビル
設立:2009年7月31日(創業2004年4月12日) 資本金:10,000千円
事業内容:GridOnput技術関連の製品開発・製造・販売
http://www.gridmark.co.jp/
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―公文に採用された音声ペンの効果が評判だそうですが
テキストに印刷されたドットコードを読み取り、音声を再生する「E-pencil」を使って、英語学習が簡単かつ楽しく生まれ変わり、テキスト消化率が向上しました。従来のCDから切り替えて以降、会員数も過去最高を更新しています。英検の小学生合格者の4割以上がこの音声ペンを利用しているというデータもあります。この実績から、大手英語塾や玩具メーカーからの要望が殺到しています。
―音声ペン市場の成長性について教えてください
海外では音声ペンが1000万本売れており、1000億円の市場が形成されています。教育・玩具分野から、経典コーランの読み上げまで、その幅広い利用シーンに驚かされるばかりです。音声を出す機能だけではなく、業務ソリューションやスマートフォン連携などハイエンドな使い方が普及すれば、1兆円を超える市場になります。海外営業部隊を今年より立ち上げ、その市場を獲得していきます。
―「GridOnput」の事業モデルについて教えて下さい
ドットコードを読み取る電子ペン「Gスキャナー」の製造販売と、ドット印刷およびコンテンツ受託制作です。紙とデジタルをつなぐ”インターメディア・インターフェース”として、教育玩具から広告・通販まであらゆる情報サービスで活用できます。顧客の要望に応じて、モジュール販売やSDK(開発ツール)の提供もおこなっています。
―技術のポイントは何でしょうか
「Gスキャナー」は赤外線小型カメラが内蔵されたドット印刷専用のスキャナーです。これを使って赤外線吸収インクで印刷された見えないドットコード(GridOnput)を読み取り、デジタル情報を呼び出します。ドットコードは特殊なプリンタを必要とせず、あらゆる種類の紙にも対応できます。また、最大300兆のコードを発行できるほか、コード値とXY座標値を併用したり、回転角や傾きの検出も可能など、類似コード技術に対して機能面でも優れています。
―知的財産を非常に重要視しています
GridOnputに関しては、全世界で160件以上(日本62件・海外101件)の特許を取得しています。特許は2003年より出願し、現在も3ヶ月に一本は申請しており、ハード面だけでなく、思いつくだけのあらゆるドットパターンを押さえています。特許というのは継続ビジネスであり、法務面だけでなく収益面からも会社を守ってくれます。特許費用は多額ですが、その価値は十分あります。
―海外市場戦略はどのようにお考えですか
海外で普及しているドットコードや音声ペンの70%以上は当社の特許技術の侵害相当品と推測しています。知財権を重要視する欧州企業等に対しては、リプレイスや協業を提案していきます。中国では国家的プロジェクトに当社技術が採用されました。GridOnputは300兆のドットコードが発行でき、顧客に対して全てユニークなドットコードを提供していますので、セキュリティ性が極めて高いことが採用理由でしょう。
―今後の課題は何でしょうか
アライアンス戦略が要になります。当社にはやりたいことを実現するための経営資源やマーケティング能力が不足しているという認識です。知的財産を核にコア製品の製造販売へ特化し、アライアンスを通じて製品化を促進していきます。海外展開においては、製造販売から保守メンテナンスまで一緒に手がけてくれるようなメーカーや出版社、商社等と現地合弁会社を作りたいと考えています。
―起業家としていくつも会社を立ち上げてきました
もともと根っこはベンチャー起業家です。デジタルハリウッドやデジタルスケープ(2005年 旧ヘラクレス上場)、ポリゴンマジック、アイ・エム・ジェイ(2001年 旧ヘラクレス上場)など、新しく会社を作っては売却してきましたが、今回は違います。2足のわらじは辞めて大学教授を今年3月に退任し、グリッドマークをゼロから100まで育てるために、経営に専念していきます。
―株式公開についてはどのようにお考えですか
IPOは株価やインパクトから考えて、海外市場が魅力に感じています。販売面でも海外マーケットの方が圧倒的に大きく、ここを獲っていくために資金面・事業面で支援してくれるパートナー開拓が急務です。次のファイナンスは大きく仕掛けたいと考えています。
※全文は「THE INDEPENDENTS」2012年12月号 - p6-7にてご覧いただけます