「広島大学発バイオベンチャー」
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株式会社広島バイオメディカル
代表取締役社長 豊浦 雅義さん
1978年 京都府宮津市生まれ
1997年 京都府立宮津高等学校 卒業
2001年 京都工芸繊維大学工芸学部 卒業
2003年 同大学大学院工芸科学研究科 卒業
2003年 株式会社特殊免疫研究所 入社
2006年 株式会社ファーマフーズ 入社
2007年 当社 設立
所在地:広島大学産学・地域連携センター(東広島市)
設 立:2007年4月 資本金:10,000千円
事業内容:ニワトリバイオ技術を用いた抗体医薬の開発
http://www.hiroshima-bm.com/
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―設立経緯を教えて下さい当社根幹は、広島大学生物学研究室で培ってきたニワトリバイオ技術です。ニワトリバイオ技術としてニワトリモノクローナル抗体作製技術と遺伝子改変ニワトリ作製技術の二つの基盤技術を有しています。バイオテクノロジー分野、臨床検査や体内・体外医薬品分野を視野に入れた事業を展開するため、松田治男広島大学名誉教授とファーマフーズ(マザーズ:2929)の出資で設立されました。
―売上も順調ですが、事業モデルについて教えて下さい
売上のメインとなっている事業は、製薬企業や診断薬企業などからご依頼頂く抗体作製受託サービスです。作製費は数百万円からで、成果買取りの成功報酬が数千万円となります。
―知財関係はどのようになっていますか
基盤技術に関する特許は広島大学から独占的な再実施権を得ています。基盤技術特許を活用して自社開発した抗体に関しては、物質特許として出願します。モデル動物を用いた薬効評価を行った上で、物質特許を製薬企業にライセンスアウトすることを目指しています。
―ニワトリを使ったモノクローナル抗体*が特徴です
免疫動物にニワトリ(鳥類)を用いることで、哺乳類由来タンパク質を容易に異物として認識できます。マウス(哺乳類)を使った従来法では取得できないヒト標的に対して、有用性の高い抗体取得が可能になりました。我々はニワトリ抗体をヒト化する技術も有しているため、ニワトリ抗体を治療薬として応用することもできます。
*モノクローナル抗体=一つのクローン細胞群が作る1種類の抗体
―抗体医薬市場が急拡大しています
免疫学から発展した抗体医薬は、ガン治療薬、リウマチ治療薬などに世界中で実用化されています。抗体は正常な細胞には結合しないので、副作用が極めて少ないのが特徴です。最近ではカイオム・バイオサイエンスなどの抗体作製ベンチャー会社も上場しています。
―大株主のファーマフーズについて教えて下さい
2006年6月に上場した同社は、鶏卵抗体技術を活かした機能性素材開発などを手掛けています。松田教授と同社金社長とは旧知の仲でもあり、総代理店として営業支援を受けています。
―豊浦社長はファーマフーズ出身です
元々、診断薬企業である(株)特殊免疫研究所の新事業部にて、抗体医薬開発に携わった経験がありました。その後、大阪商工会議所主催のバイオベンチャー人材フォーラムをきっかけに(株)ファーマフーズに転職しました。元々は研究開発の人間ですが、研究ラボ立ち上げの経験がある事から松田教授との広島プロジェクトを任されました。まさか自分のような若い人間が社長になるとは思っていませんでしたが。
―社長就任して心がけた事は何ですか
まずは黒字です。外部からの受託開発事業で2年目から黒字を達成しました。しかし受託だけでは発展性がないので、前期に研究開発人員2名を採用して、自社開発事業を柱にしています。
―今後の事業計画について教えて下さい
抗体医薬開発事業への取り組みです。弊社の費用負担で作製した抗体医薬のライセンスアウトを目指していきます。抗原シーズは自社開発もしくは、公的研究機関などから提供を受けます。
製薬企業から、サンプル提供段階で数百万円、オプション契約を含む共同開発契約で1億円、最終的には数十億円のライセンス収入が期待できます。外資系企業へのアプローチを通じて、海外ビジネス展開もしていきます。
―ファイナンスの計画はありますか。
受託事業と違い、自社開発事業はハイリスク・ハイリターンです。今後は積極的な研究開発をしていくために、より進んだ資本政策を検討したいと思います。
※全文は「THE INDEPENDENTS」2012年9月号 - p6-7にてご覧いただけます