「進化する介護食「ウェルビーソフト食」」
=$DATE?> 公開
=$CORP_NAME?>
=$CORP_KANA?>
=$CORP_KANA?>
=$PERSON_POSITION?> =$PERSON_NAME?>
=$PERSON_KANA?>
=$PERSON_KANA?>
株式会社ウェルビーフードシステム
代表取締役社長 古谷 博義さん
1949年熊本県生まれ。73年東京経済大学卒業。74年古宝商事(株)入社。81年(株)ウエルビーフードシステムを設立、代表取締役となる。
2011年ニッポン新事業創出大賞 企業部門で最優秀賞の経済産業大臣賞を受賞。
所在地:静岡市清水区川原町18-28 資本金:10,000千円 設立:1982年6月
事業内容:福祉・医療・学校給食・ 社員食堂の運営委託、クックチル食品の開発ほか
http://www1a.biglobe.ne.jp/wellbe/
=$NAME2?> =$NAME3?>
=$NAME4?>
―超高齢化社会到来に備える介護食嚥下(エンゲ:飲み込むこと)困難な高齢者・障害者の方に開発された「介護食の特殊調理」の需要が増えています。しかし従来のペースト食は、どろどろ状態で彩りも乏しく食欲がわきません。ウェルビーソフト食は、彩り良く、見た目も、味も、常食に近付ける事に成功しました。食器も常食と同じものを使用できます。まさに、食べる喜びを感じられる介護食です。
―ペースト食の危険性を回避するソフト食
介護食には嚥下摂食障害に対する工夫も必要です。嚥下困難は、咽頭蓋の働きが緩慢で食塊を食道にうまく運べない状態で、誤嚥性肺炎になる危険があります。肺炎による死亡総数割合は9.3%にもなります。ウェルビーソフト食の開発きっかけは、ペースト食による誤嚥性肺炎によるリスク回避です。適度な粘度、食塊の形成しやすさ、べたつかない、のど越しの良さ、という機能的特徴によって安全に食事を摂ることができます。
―常食から作る介護食
当社が提供するソフト食は、通常食にゼラチンや寒天を主原料としたとろみ剤を加えて、プリンのようにペースト食を加工します。肉じゃがの場合は、具材を別々にミキサーにかけて固め、彩り良く盛り合わせます。鮭柏漬け焼きは、バーナーで表面に焼き目をつけて本物の焼き魚らしさを再現。さらに定量の白はんぺんを加えることで、なめらかな質感を出し食べやすくしています。ほうれん草おひたしは、波きり包丁で切ることで見た目を美しく仕上げ、とろみをつけたあんをかけ、嚥下障害の方でも飲み込みやすくしています。
―握り寿司も実現
当社では、ペースト食では不可能と言われていた握り寿司のソフト食開発に初めて成功しました。シャリは酢が跳ばないようにお粥をスチームで加熱して、マグロの赤身は赤カブの煮汁で再現した自信作です。寿司を食べられる事に感動する方は多く、施設でも大好評です。生姜や海苔のソフト食化もできるので、恵方巻きも提供可能です。
―給食受託サービスをベースに展開
当社は静岡県内29箇所に対する給食受託事業がメイン業務です。基本はクックサーブ(その場で調理)による食事提供です。平均150食の通常食を病院介護施設で調理しています。通常食をソフト食に加工する上、スチームなどの設備も共用できます。受注単価に対応するコスト力はあります。課題は調理加工できる人材の育成です。
―静岡県立大学薬学部の前田准教授と共同開発
前田准教授がダイエットによく効くインドネシア産ガーガム(豆)を発見しました。当社のソフト食化のノウハウを利用して、これを食品に応用する計画を進めています。大学側はパテント取得を重視しますが、当社ではまず市場に出すことを優先します。今後は当社独自のパテント取得も検討していきます。
―「第6回ニッポン新事業創出大賞」受賞
昨年は、静岡ニュービジネス協議会を通じてグランプリ受賞ができました。食品問屋時代は、売上追求の毎日で資金繰りにも苦労しました。「金は後からついてくる」、若いときにはその意味がわかりませんでした。企業には社会を幸せにするミッションが重要です
―人間の尊厳に関わる大切な食事
当社の経営理念は「食文化の創造」です。流動食ばかりの病院生活は、人間の尊厳を奪ってしまいます。個人を尊重した食事、まごころの伝わる食事、安心を約束できる食事を追求し、これからも介護食の更なる進化に取り組んでいきます。
【注目企業】認知症予防・抑制のミッケルアート療法(株式会社スプレーアートEXIN代表取締役 橋口 論)
【コラム】中小企業の位置付け(秦信行)
※全文は「THE INDEPENDENTS」2012年6月号にてご覧いただけます