「遺伝子発現抑制に取り組む創薬ベンチャー」
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株式会社ジーンケア研究所
代表取締役社長 六川 玖治さん
1969年東北大学農学部卒業
1971年東北大学大学院農学研究科修士課程修了
1971年ヤマサ醤油(株)入社
1981年農学博士(東北大学)
1981年(株)東芝 医用機器事業部入社
生化学自動分析装置・要素技術開発主査
2001年当社入社 総務部長
2003年当社取締役・総務部長
2006年当社代表取締役社長
2008年当社取締役
2009年当社代表取締役社長
住所:神奈川県鎌倉市梶原19-2 テコム第二ビル
TEL:0467-46-9590 設立:2000年12月20日 資本金:50,000千円
http://www.genecare.co.jp/
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―官民共同コンソーシアムから生まれたバイオベンチャー当社の前身である株式会社エイジーン研究所は、旧厚生省医薬品機構と国内製薬4社(ロシュ(現中外製薬)、エーザイ、明治、キッセイ)により、老化とゲノム安定化機構を研究テーマに1993年4月に設立されました。同社は「老化は遺伝子の不安定化が原因であり、遺伝子の傷を修復する酵素(RecQヘリカーゼ)が老化の重要な役割を果たしている」という研究成果を持って2001年3月に解散(プロジェクト終了)しました。しかしもう一方で、RecQヘリカーゼが多くのがん細胞の増殖にも重要であるという大きな研究成果も生みました。そこで同社研究所長の古市泰宏を中心に研究者7名によって、この研究成果を活かした新規医薬品の創出を目的に、2000年12月に株式会社ジーンケア研究所が設立されました。
―日本発の世界に誇る創薬企業への飛躍を目指す
当社の創薬戦略は、最先端サイエンスであるsiRNA(遺伝子の発現を抑制するリボ核酸)医薬の開発により、未だ有効な治療法のない医療ニーズ(unmetlmedical needs)に対して画期的な新薬を創出することです。臨床開発以降は、製薬企業との提携により事業化を推進する計画です。現在は、抗がん剤「RecQ-siRNA」と肝がん発症・再発抑制剤「GK-001」の2つの開発パイプラインを持っています。
■「抗がん剤:RecQ?siRNA」
―RNA干渉を基盤とする革新的抗がん剤
siRNA医薬とは、2006年にノーベル賞を受賞したRNA干渉(RNA interference)という生体が元来持っている防御機能を利用する、最先端サイエンスに基づく革新的な医薬です。疾患の原因となる標的遺伝子のmRNA(伝令RNA)を分解・除去することで、DNAの障害修復と安定化を担う酵素(ヘリカーゼ)を作らせなくして、がん細胞をその根本レベルから死滅させる革新的なアプローチとして、ブロックバスター(夢の大型がん治療薬)への期待が持てます。
―日本における「siRNA医薬のパイオニア」
当社では2002年にsiRNAの医薬品として優れた特性を基に抗がん剤としての有用性を確認し研究を始め、RecQヘリカーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAが、様々ながん種に対して、がん細胞のみを選択的に抑制する効果がある有望な新規抗がん剤候補であることを立証しました。2005年にはsiRNA医薬開発で世界のトップランナーである米アルナイラム社と臨床応用に関する特許実施権許諾契約を締結しました。日本におけるsiRNA医薬のパイオニアであり、10年以上にわたり弛まず研究を継続してきました。
―安全性・特異性・有効性が高いという優位性
既に製品化されている低分子医薬は、劇薬に指定されている製品も多く副作用が強いのみならず、使用し続けると、がん細胞が抵抗性を獲得するという課題も持っています。免疫反応を利用する抗体医薬は、標的への特異性も高く副作用も比較的少ないのですが、同じがん種でも効果にバラツキがあります。また製造には巨大な培養施設が必要で精製に手間もかかります。それに対してsiRNA医薬は、比較的簡単に合成でき、副作用も少なく、幅広い種類のがん細胞にも効果を持ちます。
―適切なDDSの探索と選択が課題
siRNA医薬の開発にあたっては、薬物運搬用マイクロカプセル(DDS)が必要です。DDS技術により、siRNAが体内で分解したり腎臓から排泄されずに、効率的に標的となるがん部位へ輸送することができるようになるからです。これまでは特にDDS技術が大きな課題となってsiRNA医薬の開発に時間がかかっていました。しかしながら、近年は上場企業も出てくるなど急速にDDS技術が発達充実して、当社でも複数のDDS企業との提携が進んでおります。
―創業時から理念を共有する経営チーム
創業者である古市泰宏(現代表取締役会長)は、国立遺伝学研究所や米国ロシュでの研究成果が国際的に評価され、幅広いネットワークを持っています。1994年からはエイジーン研究所の取締役研究所長に就任し研究全般を見ていました。当社設立時からの大株主であるベンチャーキャピタルの株式会社バイオフロンティアパートナーズからは、同社代表取締役の大滝義博氏に社外取締役に就任して頂いているほか、医製薬業界出身の執行役員も派遣いただき、資金面だけでなく研究開発体制についても支援をいただいております。私(六川)は創業直後に総務部長として入社し、2006年に古市を引継いで代表取締役社長に就任いたしました。私たち創業時からの経営チームは、事実に基づいた高い確信、障壁を乗越える強い気概、テーマに対する熱い思いを持ち続け「役立って喜ばれる」革新的医療、即ち「健やかに全うする人生の実現」を目指しています。
※全文は「THE INDEPENDENTS」2012年2月号 - p5-8にてご覧いただけます