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「移動ビジネスの動態管理支援システム」

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株式会社トラン
代表取締役 藤原 和江さん

1951年東京都世田谷区生まれ。ケミカルバンク東京支店(現JPモルガンチェース)、朝日監査法人(あずさ監査法人)勤務後、藤原公認会計士事務所設立。2001年当社設立時より現職。公認会計士。

住所:東京都新宿区市谷本村町3-28 新日本市ヶ谷ビル4F
TEL:03-3513-0491 設立:2001年4月 資本金:50,000千円
事業内容:観光バス・タクシーの手配、タクシー予約サイト運営、GPS配車システムの提供
http://www.tran.ne.jp/

「人と物・サービスのマッチングを通して「便利で安心」を提供」

―新事業「らくらくGPSサービス」について教えてください
全国どこにいても車両の位置を補足して配車・配送指示ができるASPサービスです。タクシー会社、バス運営会社、物流会社などに対して安くて高機能な配車サービスを提供していきます。拡張性もあるので、車両管理・物流管理を行う事業会社にとっては移動するポス端末となり業務の省力化に繋がります。

―現在の事業の柱である「らくらくタクシー」はどのようなサービスですか?
日本初の定額タクシー配車システムです。「らくらくタクシー」サイトに、利用日時と出発・到着地を入力するだけで、定額かつ格安にてタクシーの配車予約ができます。東京駅から東京ディズニーリゾートなら、通常はメーター料金7,730円ほどが、「らくらくタクシー」を利用すれば5,030円と35%もお得になります。最短ルートでの計算を基準としているため、このような格安な料金設定となっています。

―タクシー会社にとってメリットはありますか?
定額制で単価こそ下がりますが、配車効率が上がることによってより大きな収益が得られます。現在、58,000名のユーザーに会員登録いただいており、利用件数も昨年比130%から140%で推移しています。平均利用単価は約6,000円で、全国300社・15,000台のタクシーをネットワーク化しています。当社はタクシー会社から斡旋手数料をいただく収益モデルとなっています。

―最初に手掛けた事業は観光タクシーや貸切バスの手配事業でした
全国のJR各社や旅行代理店が提供する旅行商品の観光タクシー手配から周遊ルートの設計などを、(株)北海道JRトラベルサービスとの共同事業として受託しています。各地域にあるタクシー会社やバス会社との調整や細やかなフォローを当社がワンストップで請け負います。そのように利用実績を積み重ねることで、タクシー会社との信頼関係の構築もできました。

―らくらくタクシー事業は多くの大手企業と提携関係にあります
お客様がタクシー移動を必要とする事業者様に、当社の仕組みを提供しています。JAL様には、空港からの移動手段としてご利用頂き、マイレージも貯まる仕組みになっております。東京海上他の損保会社様では、旅行で事故にあった被保険者をご自宅やホテルまでお送りするサービスとしてご利用頂いており、特に料金計算の透明性が役立っているようです。

―事業上のリスクはどこにありますか?
配車漏れに対策に十二分なケアを行っています。これを回避するために、まずブラウザ上で予約情報を表示させ、FAXでも予約確認を行っています。万が一の場合は、近くのタクシーを緊急手配します。弊社規定の定額料金との差額はユーザーに補填させていただいております。

―「らくらくGPS」事業の開始背景についてお聞かせ下さい
タクシー会社はアナログ無線からデジタル無線への移行が2019年までに必須となります。しかし昨今の不況でデジタル化が完了しているのは全国のタクシー25万台の内、7万台程度に過ぎません。そこで当社では、携帯電話の通信網を使った「安価で高機能」なサービスを提供しようと、ASP型の動体管理システムを開発し2010年5月に販売を開始しました。

―業務用デジタル無線と比べ、携帯電話を活用するメリットは何でしょうか
一つは圧倒的に低価格であることです。携帯電話の端末代とシステム料1,000円/月で利用ことができます。携帯電話のパケット通信費が固定制になったことで、通信コストも月額980円以上かかることはありません。また、業務用デジタル無線は到達エリアが半径20kmに限定されるのに対し、携帯電話なら北海道から沖縄までつなぐことが可能です。導入までの期間も最短で一ヶ月と、簡単ですぐに使えることも喜ばれています。

―システム構成について教えてください
ネットに接続できるPCに、GPS機能を持つスマートフォンと、車載専用機(インタフェースボックス)です。カーナビ機能を追加すると、お客様の所まで自動ロケーションします。インターフェースボックスは、タクシーであれば、タクシーメーターと連動して実写/空車等のステイタスを把握することができ、トラックであれば、デジタルタコグラフや温度センサーなどと連動して、各種データを本部に送ることができます。CTIシステムと連動すれば、お客様の電話番号と紐づいた各種情報を直接タクシーに送ることができます。

―システムの拡張性によってどのような効果が期待できますか
例えば、基幹業務系システムへ様々な情報を提供することも可能なので、車載端末が移動ポスシステムになるという画期的な状況を提供できます。また、各種センサーと連動して本部で各車両の状態把握ができるので、新たにシステム構築しなくても、保冷車やコンクリートミキサー車などで活用いただけます。


11月17日第86回事業計画発表会では、トラン藤原社長に同社の事業計画について発表いただきます。同社にご関心のある方は、是非ご参加ください。

      ≪詳細(PDF)はこちら≫      ≪web申込はこちら

※全文は「THE INDEPENDENTS」2011年12月号にてご覧いただけます