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「テクノロジーベンチャーの事業戦略」

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テクノライズ株式会社
代表取締役 岩田 昇さん

平成3年3月私立横浜商科大学高等学校卒業。平成3年3月大手スーパー入社。平成5年4月半導体装置メーカー入社。平成11年11月半導体装置メーカー退社。平成11年6月テクノライズ(株)設立、代表取締役就任(現任)。平成17年6月(株)リライズ設立、取締役会長就任(現任)。

住所:神奈川県横浜市都筑区仲町台1?2?20 フロンティアビル5階

TEL:045-949-5008 設立:1999年6月10日 資本金:20,000千円
http://www.technorise.ne.jp/

半導体業界と自動車業界で事業を展開するライズグループ。世の中に広く普及できるサービスで上場を目指す岩田会長に起業経緯や事業戦略をお伺いしました。

ユーザーを限定しない、形に縛られない

ーユーザーが値段を決める
岩田:テクノライズが属する半導体業界は鉄の板一枚が溝一本入れるだけで10万円に売れる世界です。お客様はその微細な加工をするために当社の機械が必要なのです。お客様が欲しいのはノウハウです。私たちは装置メーカーではありますが、エンジニアリングが主体でモノは付録で売るのです。カタログは見本です。値段を載せると買い叩かれるだけです。

―磨く技術をコアに、洗車ビジネスに参入
岩田:洗車QQ隊(株式会社リライズ)は、代表の山崎をはじめ元々車が大好きで、知人から経営相談を受けたのが設立のきっかけです。相談を受けた当時、「世の中の人は何処で洗車しているんだろう?」と考えた場合、ガソリンスタンド、コイン洗車場、または自宅ぐらいしか選択肢がありませんでした。従来の洗車サービスは、お客様自らが行動し、ある程度の時間を拘束される事でサービスを受けてきましたが、全く新しいサービス形態(出張型洗車サービス)を開発する事で、お客様がサービスを受けたい時にサービスを受ける事ができれば、世の中の洗車に対する固定概念が大きく変ると思いました。また、洗車は磨く技術が求められます。研磨技術を強みとする我々が洗車サービスをするのも面白いと思いましたね。

―闇の世界から表へ出て行く
岩田:研磨特殊施工(ポリマー加工、ガラスコーティング等)については、価格決定の根拠が曖昧で、カローラだから3万円、フェラーリだから20万円とお客様の足元を見て値段決めを行っているサービス店が殆どでした。その不透明な価格を、根拠あるものに変えていければ活路は見出せると感じたのも設立のきっかけです。

―ネットできっかけを発信する
岩田:私が行く店は繁盛するとよく言われますがそれは違います。人はみんな同じ事を考えています。だから何か物事を始める場合、ちょっと早いだけでよいのです。天才や芸術家は、ずば抜けて早いので、時代のニーズとの乖離が生じ商売はできません。私は究極の凡人です。ネットで出張洗車と発信した当時、個人ユーザーが大半だと思っていましたが、現在ではマンションや展示場などB to CからB to Bへと変化しており、様々なところから引き合いを頂いております。勿論、お客様を限定してはいけません。

負けて悔しいから勉強した

―リーゼントで面接
岩田:中学生の頃はビーバップハイスクール全盛期で、十代の頃は迷わず国道爆走学園です(笑)高校卒業後、家からもおっ放り出されました。「就職するしかないか」と地元スーパーにふらっと行ったら面接担当が高校の先輩で即採用されました。おまけに花形の加工食品部へ配属されました。その頃から「すべては人の縁」と思うようになりました。

―大卒に負けたくない
岩田:同期入社でもこっちは高卒です。全く期待されていません。「こまめ(小豆)」と読んで周りが大爆笑。悔しくて速攻で漢字ドリルを買いに行きました。ヤンキー時代からとにかく「負けず嫌い」です。必死になって仕事に取り組みました。現場で叩き上げてきた先輩からは「お前いい目しているな」と可愛がられました。陳列が悪いと段ボールごとひっくり返されました。そうやって商売の根本を叩き込んでもらい、1年目からずっと最上級A評価という伝説を残しました。

※全文は「THE INDEPENDENTS」2009年3月号にてご覧いただけます