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「地域エコシステムとVCの役割」

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株式会社インディペンデンツ
代表取締役 國本 行彦 氏

1960年東京都豊島区出身。84年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。2006年インディペンデンツ設立、代表取締役就任。

最近の米国経済は、FIRE(Finance・Insurance・Real Estate)が成長を牽引していましたが、
フェイスブックの上場で、シリコンバレー型の「地域エコシステム」が再び注目されてます。
ベンチャーへ投資するエンジェルやベンチャー企業支援の専門家が集い、
新たなベンチャー企業が育てられる「地域エコシステム」の大成功例がシリコンバレーです。
しかしシリコンバレーは大成功したベンチャー企業が最初からあったわけでなく、
ベンチャー企業が育つ環境が人為的に作られた結果です。

地域経済活性化のためには、競争力ある産業の育成が欠かせません。
東北大学の西澤昭夫教授は「テクノロジーベースの大学発ベンチャーを核とする産業政策が
地域活性化には必要である」と提言しています。
山形県鶴岡市は、バイオベンチャー企業が簇業(ソウギョウ)、成長、集積する
「地域エコシステム」が育ちつつあります。
地域経済活性化政策は、従来の大企業誘致型からベンチャー企業育成型に変わりつつあります。

新しいテクノロジーやサイエンスに必要なR&D(研究開発)の資金提供や環境整備は、
政府・行政機関の役割です。
ベンチャーキャピタル(VC)の事業目的はキャピタルゲイン追求です。
VCは技術には投資しません。経営に投資します。
開発リスク(R&D)は公的機関が負い、事業開発(マーケティング)リスクを
VCが負担する、という役割分担が明確に「地域エコシステム」にはあります。

産官学の「地域エコシステム」によって育てられるベンチャー企業は
パブリック(社会的)な存在です。
ベンチャー企業はその成長に伴い、地域限定からもっと広い(オープン)な社会からの
支援を求め、必然的に株式公開(Going Public)していきます。
株式指標は景気動向を表すと言われますが、IPO(株式公開)は経済活性度合いが反映します。
日本全国から誕生する「地域エコシステム」において、株式公開を通じて継続的に発展させていくのがVCの役割です。