【北海道インデペンデンツ】女性起業家支援から見えた、経営者に共通する課題
<イベントレポート>
2026年8月21日 北海道インデペンデンツ
@ HOOK 2026年夏開業|札幌中心部最大級のスタートアップ拠点「HooK(フック)」
+ Zoom ウェビナー配信
インデペンデンツクラブに複数回登壇してきた女性起業家を迎え、代表理事・松本の進行で座談会を開催しました。手がける事業分野も、起業に至った背景も異なる登壇者たちは、「女性起業家支援」をどのように捉え、経営の現場で何を課題と感じているのでしょうか。女性同士だからこその率直さも交えながら、それぞれの経験や視点を持ち寄る活発な議論が繰り広げられました。
(パネリスト)

COCOAS株式会社
代表取締役
下和田 静香 氏

五條メディカル株式会社 代表取締役
原田 杏子 氏

株式会社josanshi
代表取締役
柏村 沙希 氏

株式会社プロジェクトセレネ
代表取締役 男城 月菜 氏
(モデレーター)

インデペンデンツクラブ代表理事
松本 直人
テーマ1)女性に特化した起業家支援は必要か
COCOASの下和田静香氏は、女性を優遇する必要はないとしながらも、妊娠・出産などライフステージ特有の悩みや、男性中心になりがちな経営者コミュニティの中で相談できる場の必要性を指摘しました。
五條メディカルの原田杏子氏は、社会課題を解決したいという思いがあっても、事業化やマネタイズの方法が分からないケースが多いとして、経営を学び、相談できる支援の重要性を挙げました。
一方、プロジェクトセレネの男城月菜氏は、「女性」という属性だけで区切ることには慎重で、年齢や性別を問わず、一人ひとりが抱える障壁に応じた支援が必要だと語りました。女性特有の課題への支援は必要ですが、「女性だから支援する」という発想とは分けて考えるべきだという点で、議論は重なっていきました。
テーマ2)どうすれば活躍する女性起業家が増えるのか
男城氏は、日常から生まれるアイデアを壁打ちし、事業へ育てる経験を積むことの大切さを指摘しました。
josanshiの柏村沙希氏は、起業すること以上に、その後に事業を仕組み化し、継続・成長させる「経営」の段階に課題があると述べました。
原田氏からは、一度失敗しても再び挑戦できる環境の必要性が語られました。
下和田氏は、人との出会いが起業を選択肢として意識するきっかけになり、さらに家庭や子育てと経営を両立するロールモデルの存在が、次の挑戦者を生むと話しました。単に起業する女性の数を増やすだけでなく、アイデアを事業に変え、そこから継続的に成長できる経営へつなげる環境づくりが重要だという方向が見えてきました。
テーマ3)今、直面している課題
最後のテーマでは、性別よりも経営者として共通する課題が前面に出ました。
下和田氏は、自分が頑張り続ける経営から、社員一人ひとりが会社の方向性を理解し、組織として判断できる体制への移行を課題に挙げました。
柏村氏は、新たに取り組むBtoB事業を伸ばすための営業組織の構築、原田氏は経営人材の確保に加え、品質にこだわったサービスを市場に知ってもらう営業力の必要性を指摘しました。
男城氏からは、成長戦略を実行するための資金調達や、その手法をさらに学んでいきたいという課題が示されました。

妊娠・出産など女性特有の課題はありますが、組織、人材、営業、資金調達、そして事業を継続的に成長させることなど、経営そのものに男女で大きな違いはありません。今回、実際に社会的課題を解決しながら、事業をスケールさせようと挑戦する女性起業家の皆さんに集まっていただいたことで、女性起業家支援というテーマを越えて、起業家が成長していくために何が必要なのかを考えるセッションとなりました。
※「THE INDEPENDENTS」2026年10月号 P.4-5 より
※ イベント開催時点での情報です