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EY新日本有限責任監査法人 (EY Japan)
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インデペンデンツクラブ
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スタートアップとIPO支援のこれから
■ IPO監査における独自の取り組みと競合優位性
松本:今日はお忙しいところありがとうございます。まずEY新日本有限責任監査法人の全体像と、スタートアップ支援について伺えますか。
大野:EY新日本有限責任監査法人は6,000規模で全国17拠点に展開しています。IPO監査は全事業部で対応可能で、登録人員は1,000名超。積極的にIPO監査を受ける体制を整えています。
松本:IPOに関しては上場基準が厳しくなり、小規模案件が減った印象もあります。
大野:そうですね。グロース市場で「5年後に時価総額100億円」という基準が独り歩きし、時価総額が小さい企業の上場意向が減少しています。しかし本来IPOは資金調達の手段ですから、成長可能性があれば時価総額にとらわれず積極的に検討すべきです。われわれ上場後の成長やグローバル展開も視野に長期的に支援しています。
■ スタートアップ向け表彰制度と支援プログラム
松本:スタートアップ支援の取り組みも幅広いですね。
大野:EY Japanでは、起業家表彰制度EOY、女性起業家や経営者のネットワークEWW、スタートアップ表彰制度EYISなどを運営しています。EOYは世界約80か国で展開し、日本代表は世界大会に参加します。EWWは世界55か国900人が登録しており、大きなネットワークになっています。
松本:アクセラレータープログラムもユニークですね。
大野:はい。女性起業家や地域版Jスタートアップなどを対象にVCや実業家、弁護士など400~500名の外部メンターと連携し、起業家ごとにチームを組んで支援します。また、自治体などの協力を得て、IPO勉強会など教育面のサポートも行っています。
■ インデペンデンツクラブへの期待
松本:インデペンデンツクラブへの期待もお聞かせください。
大野:地区の優良企業を全国に発信する機能を高く評価しています。シードやアーリー段階の企業に光を当てる場は非常に重要です。大学発ベンチャーやディープテックへの注力、ギャップファンド取得企業の紹介など、さらに強化できる領域があると思います。Jスタートアップに選ばれながらもイベントに出る機会の少ない企業も登壇いただきたいですね。
松本 本日はありがとうございました。EYの活動が全国の起業家の背中を押し、日本発の次世代リーダーを数多く輩出していくことを願っています。
interviewed by kips 2025.9.9
※「THE INDEPENDENTS」2025年10月号 P.18より
※ 冊子掲載時点での情報です