株式会社ティータイム 代表取締役 平野 雄大 氏
× 弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 鮫島 正洋 氏
日本からアジアへ!ゴルフDXで切り拓く未来
鮫島: まずは国内での事業展開について教えていただけますか。
平野:当社では、ゴルフ場のDXにまつわる複数の事業を展開しています。国内ではゴルフ場向けWeb予約エンジン「Firstee」が約300コースに導入され、ゴルフ場向けマーケティングコンサルティングや人材メディア「ゴルジョブ」を運営。「ゴルジョブ」の掲載求人は700件を突破しました。
鮫島:キャディだけでなく、ゴルフスクールや用品店の求人も掲載されており、まさにニッチトップを確立されていますね。海外事業はいかがでしょうか。
平野:タイを中心に日本人駐在員向け予約サービス「GoGolf」を展開しています。TATライセンス(タイ国政府観光庁の観光業ライセンス)を取得しており、ゴルフ場の予約代行のほかに、旅行代理店業も行っています。最近では、日本からのインバウンド観光客や、インドやパキスタンの駐在員からの問い合わせも増加傾向にあります。
アジア市場のポテンシャルと知財戦略の重要性
鮫島:東南アジアのゴルフ市場のポテンシャルには期待できますか。
平野:大いに期待できます。タイ以外に、フィリピンではオンラインブッキングが普及しており、有望な市場です。また、ベトナムには韓国人ゴルファーが非常に多いため、ベトナム市場も今後参入余地があると見ています。
鮫島:これまでを振り返って、特許の重要性について感じたことはありますか?
平野:ビジネスモデルはコモディティ化すると価値がなくなってしまうので、特許を取得し、自社のビジネスモデルだと市場に対して明確に示すことが重要だと再認識しました。
鮫島:その通りです。知財戦略への投資は経営判断として非常に重要になります。
平野:今後は、開発段階で新しい機能やサービスについて有識者と密に情報共有し、特許になりそうなものがあれば早期に対策すべきだと考えています。
鮫島:具体的な内容を聞けばアドバイスできますが、サービス発表やプレスリリースを行うと特許が取得できなくなるため、スケジュールのコントロールは貴社側で行っていただく必要があります。そこさえ適切に管理できれば、維持管理や戦略設計は、専門家や外部パートナーにアウトソースできる部分です。
IPOを見据えた事業戦略とグローバル知財戦略
鮫島:今後の事業展開について教えてください。
平野:すでにIPOに向けた準備を進めており、将来的には、これまでの機能的なコンサルビジネスから、経営全体を改革する運営受託事業へ領域を拡大することで、プロダクトの改善速度向上と売上規模拡大を目指します。国外では、東南アジアの他市場への展開を加速させるとともに、東南アジアと日本を繋ぐツーリズムプラットフォームの構築を検討しています。
鮫島:海外を含めた知財戦略についてはいかがですか。
平野:予約サービス「GoGolf」のサイトは日本法人が所有しており、タイ側にはメディアのSaaSとして利用権を提供している形です。そのため、サイト自体に関する特許は日本側で取得できると考えています。
鮫島:日本の特許はタイでは適用されないため、現地で特許を取得し、子会社にライセンス供与をする必要があります。国ごとの対応に費用がかかるほか、特許訴訟の実績が少ない国で実際に権利行使できるかという問題もあるでしょう。
平野:投資家へのIR的な観点で知財を取得することも有用なのでしょうか。
鮫島:参入障壁性やライセンス収益の獲得に加え、投資家にとって魅力的な要素としてIR的に特許を活用することも重要な戦略になり得ます。ぜひ検討してみてください。本日はありがとうございました。
―「THE INDEPENDENTS」2025年8月号 P.16より
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<話し手> 株式会社ティータイム 代表取締役 平野 雄大 氏 (→ イベント登壇情報) 出身高校:福岡県立明善高校
2008年3月 慶応義塾大学 理工学部 物理情報工学科卒業 2008年1月 HuojinJapan株式会社 執行役員 就任 2009年6月 株式会社ゴーゴル 2010年9月 同社取締役に就任 2014年4月 株式会社ティータイム設立、代表取締役 就任 株式会社ティータイム
設 立:2014年4月18日 所在地:東京都豊島区南大塚3-42-13寺岡ビル3F 資本金:54,500千円 事業内容:ゴルフ場Webマーケティング支援事業、自社Web予約SaaS事業、 ゴルフ場向け人材紹介事業、ゴルフスクール送客メディア事業 etc 従業員:50名 |
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<聞き手> 弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 鮫島 正洋 氏 1963年1月8日生。神奈川県立横浜翠嵐高校卒業。 1985年3月東京工業大学金属工学科卒業。 1985年4月藤倉電線(株)(現・フジクラ)入社〜電線材料の開発等に従事。 1991年11月弁理士試験合格。1992年3月日本アイ・ビー・エム(株)〜知的財産マネジメントに従事。 1996年11月司法試験合格。1999年4月弁護士登録(51期)。 2004年7月内田・鮫島法律事務所開設〜現在に至る。 |