超音波AI医療で切り拓く未来の地域医療
~誰もがどこでも高度な診断を受けられる社会の実現へ~
株式会社サウスウッド
代表取締役 竹谷 昌敏 氏
■ 超音波AIで、医療格差のない社会へ
株式会社サウスウッドは、超音波AI医療技術を活用し、「どこにいても、誰もが質の高い診断を受けられる社会」の実現を目指す医療AIベンチャーです。日本各地の過疎地域や離島では、専門医の不在により心不全などの重大疾患の早期発見が難しいという深刻な課題があります。当社は、これをポータブルエコー×AIで解決します。超音波は被曝も侵襲もない安全な検査法である一方、診断には高度な専門性が求められるため、誰でも使えるようにする「AIの支援」が不可欠です。
■ ポータブルエコーとAIの融合で診断支援を実現
当社は、MIT発・NYSE上場のButterfly Network社が開発した全身スキャン可能なポータブルエコー「iQ3」に、当社独自のAI技術を組み合わせることで、専門医以外でも心不全などの重大疾患を早期に発見する診断支援を可能にします。現在、薬事申請を進めるとともに、SBIR(中小企業イノベーション創出推進事業)による実証実験も実施中です。AIの社会実装に向けて、厚生労働省・経済産業省が認可する医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)も連携しながら開発を推進しています。
■ 開発体制と技術的信頼性
当社メンバーは、循環器AI分野の第一人者、公認会計士、博士、MBA人材など多様な人材が集結しています。また、徳島大学、琉球大学、HAIPと連携し、革新的な医療AI(SaMD)が次々と社会実装される未来の実現を目指しています。
■ 超音波AIが主治医とともにある社会へ
私たちのビジョンは、「いつでも・どこでも・だれでも」超音波診断支援AIが主治医のパートナーとして日常診察に寄り添い、見逃されがちな疾患の兆候を検出し、必要なときに専門医へつなぐ社会の実現です。
コメンテーターより![]() |
サウスウッド社の超音波AI診断支援技術は、医療資源の限られる地域においても高度な診断を可能にする革新的なソリューションとして高く評価できます。特に、小型で持ち運びに優れている点やAIによる自動解析により、専門医不在でも適切な初期判断が可能となる点は大きな社会的意義を有します。特に、診断格差の是正に貢献しうる構造は、地域医療の未来を切り拓く技術として大きな意義を感じます。患者情報の取扱いや診断支援の責任分界といった法的観点にも留意しつつ、医療の未来を支える存在となることを願っております。 弁護士法人 内田・鮫島法律事務所 弁護士 多良 翔理 氏 |
※「The INDEPENDENTS」2025年7月号 - P.8 掲載